2010 ガルーダF2B  設計編 

ガルーダF2B 設計編





答えは生体形状にある

鳥に憧れ空を飛びたい・・・
航空工学の原点は鳥のはずだった、しかし何時しか鳥とは無縁な世界、
人間が考え出したカタチに固執してしまう
航空機の発展は軍事中心だったことがマズかった・・・・
航空機を設計するなら、鳥の形状を原点にするべき
なぜなら、進化した最新形状がそこにあるのでは?
とは言え、F2Bする鳥はいませんが・・・・
鳥は美しい
鳥にデカ水平尾翼は無いでしょ
鳥の重心位置が変わると水平安定が悪くなるのかなぁ〜〜?
違います、それはプロペラがあるからなんよ
プロペラが回転すると飛行機が不安定になる
着陸のグライドで水平安定に文句を言う人はいません
エラーの本質を見極め、改善する必要があります

鳥には無いプロペラ特性を逆手に使い、エラーキャンセルできるかが勝負!
負ければ、現状は越られないだけ「ナァ〜〜ダ、ダメじゃん!」
ナンも改善しない・・・悔しいから考える・・・それが醍醐味
考えるだけでなく、作ってみないとワガンネ!



2010ガルーダF2Bの設計の詳細



5年間の集大成?、
モノマネの時代は終焉
本当のスタント機設計手法、高性能スタント機の設計のすべてを公開しましょう
コレを見ればアナタ独自のオリジナル高性能スタント機を設計できます
設計とは理想実現とその障壁との戦いを何処まで追い込めるかが醍醐味
障壁に対して諦めていては進歩はありません
押してダメなら引いてみな?
自ら飛ばす模型飛行機を設計する楽しみほど痛快なことはありません
モノマネするなんて模型飛行機の楽しさ半減、大トロを捨てるのと同じ
失敗することを恐れていては、大トロの醍醐味は味わえません



スタント機設計のバイブルはノーブラー



ノーブラー研究

50年以上?前の設計ですが、トラクター型スタント機のバイブルはノーブラーだと改めて認識しました
復活して最初に設計したのがガルーダです、ARFノーブラーを飛ばした時の感想は
「こんな古いスタント機だから飛ばないのよ!」
「もっと良く飛ぶオモロイ機体作ったる」
そんな前提があるゆえ、初期のガルーダ設計にノーブラーは眼中にあらへん
もちろん、スタント機の設計経験はゼロ、怖いもの無しよ「あとは野となれ山となれ」
設計の基本は「どこかで見たことある機体じゃないこと」
設計はシンプルに、各種設定に迷ったら適当にズラすのではなくあるライン揃えて基準を出す
結果を見て再度ユックリ考えればOK、エンジン付ければとりあえずナンでも飛ぶっしょ
安易な考えで大成功を狙ったガルーダ
ところが、大失敗の連続はみなさんご存知のとおり、現在進行形ですよん
コッパして消滅すれば発展しませんが、5年も飛んでる低性能機、思わず笑みが・・・


人間は失敗すると考えるようになる、結果オーライのうちは成長しません


脱線しましたが、ノーブラーの最も優れている部分は、胴体設計にあります
スタント機の胴体設計ほどアヤフヤな理論はありません、ナニをもって正解とするのか
適当に有名スタント機のマネをするだけではオモロクない

「ナンでスタント機はエンジン倒立なの?」

私は、エンジンサイドマウントにすれば、翼端ウエイトを減らせるなんてアホな考えからスタート
電動機を作ったことで、倒立でなければならない理由がわかりました
理想の胴体設計とはナニか?、設計の機軸になる原点とはナニか?
どうしたらオリジナル性を出せるのか?
ノーブラー解析はオリジナルスタント機を作る上で絶対不可欠でした
ノーブラーがバイブルたる所以は、倒立搭載FOX35を前提としたテール:ノーズの比率設定
各スラストライン・Bクランクと上下重心位置位置の関係など
解析すればするほど合理性に富んだ優秀な設計であることです
だったら「ノーブラーのマネすればOK?」という話ではありません
ノーブラーの徹底解析を元に、どうしたら理想胴体の設計ができるか?
理想のスタント機を設計するには・・・・



諸元の決定


設計のスタートは諸元の決定から
基本はFAIルールのフルスペックを目指します
ルールとは、それを越えると不公平になるから決められた基準
ギリギリで作ることに意味がある
フルスペックで作ると不利になるならルールで縛る必要はありませんし
逆に不利になるなら挑戦して克服する価値と
オリジナリティーを引き出せるポイントになります
まずは、ルールを味方につけることが設計の第一歩



ライン21.5M,飛行速度95km/h



最も重要な設計は、飛行姿がどう見えるか?


設計しました、作りました、調整しました、こうなっちゃいました
コレでは設計したとは言いません、成り行きでカタチになっただけ
ガルーダがまさにコレ
調整とは、都合をよくすることではなく、目標に一歩でも近付くこと
目指す目標を明確にして、それを目指して設計・調整をする
当初ガルーダに目標はありませんでした

目標の飛行スタイルは超パワフル・フライト
アンダーパワーと見られる飛行は評価されません
パワフルフライトとは、高速でビュンビュン飛ぶことではなく
力漲るフライト、エネルギーを撒き散らしながら飛ぶ姿・・・
暴れ回るカンジとも違います
パターンが進化しない以上、いかにパワフルに飛行できるかが勝負
高速・パワフルな飛行ほど難易度が上がることは周知の事実、ユックリ正確な飛行より
ドカ〜〜ンとパワフルに飛ぶことが求められます
コレは、外から見たカンジであり、パイロットにとっては「大変飛ばし易い」でなければダメ
適切なパワーで悠然と飛ばすことは、言い換えると「誰でもできる」のです
パワービンビンで「よくあのパワーで飛ばせるなぁ〜〜」と思わせなければダメ
そのうえで、パターンの正確性が求められます
もちろん、ラインは21.5Mで決まり
ライン21.5Mの円周長は、135M
飛行速度95km/hの秒速は26.4Mですから
周回ラップは、135/26.4となり5.1secとなります


周回ラップタイムは話題になりますが
ライン19Mの条件では4.5secになります
詳しい方なら、ライン21.5でラップ5.1
飛行速度95Km/hがナニを意味するかお分かりだと思います

問題なのは、飛行姿がどう見えるか
ライン長を考慮しないラップタイム云々はほとんど意味がありません
ラップが早い遅いという議論より、飛行スピードを基準するべきだと考えています



全備重量3400g


フルスペックは3500gですが、変化要素を見込んで、3400gに設定します


時速95km/hで3400gの機体を飛ばす!


よく言われるのが「体力が持たない」「アンタだから飛ばせるのよ!」


ココに大きな誤解があるワケよ
20代で筋肉隆々、体重100kgの巨漢ならテンション10kgで6分間の集中力は可能ですが
50代手前の練習嫌いなオヤジにはテンション6kgが目一杯
理想を言えば、4kgくらいで快感フライトをしたい
要は、テンションの調整をすればOK
テンションを抑える手法は翼端ウエイトの調整
こんな分かりきったことすら忘れられている
なぜなら、テンションが抜けて困ることのほうが多いから
テンションがムラだらけで困っちゃうのよ
テンション抜けがなくなるように調整すると、MAXテンションで怖い思いをする
我慢するしかない、だから3400gの機体なんて考えられない

そこで

テンション抜けを防ぎ、一定テンションにする技法を後ほど紹介します


お楽しみに!




翼面荷重40g/デシ


経験値でしかありませんが、40gが性能の分岐点ではないかと考えています
軽いほどイイと言う話もありますが、飛行速度を95km/hで設定しますので
重量感のある飛行とターンのキレ・沈みを考慮して40gを設定しました
ただし、90デシの超大型機としてみるとかなり低翼面荷重といえます


翼面積85デシ、スパン1990、翼厚テーパー


翼面荷重から逆算すると85デシになりますが・・・・・
安牌をとって、90デシ
スパンは1990(2000)のフルスペック
翼型はNACA0025(25%)をセンターとして翼端はNACA0012(12%)のテーパー
翼端成形は滑らかに0まで絞って乱流と抵抗を減らします


胴体長は1500?


胴体長は1500を目安に図面上で検討します
ノーズ700:テール800(エレベーターヒンジ)くらいかな・・・・1:1に近づけます
エンジンが重たいのがチョット・・・・




サイサ撲滅へ



コレがプロペラ第2のエラー


プロペラ回転数によるサイサを撲滅することが最終目標
広大なサイサバンドを実現すること
言い換えると、高回転になっても操縦性が悪化しない条件を作ること
コレが実現すれば、エンジン・モーターに関係なく回転数を気にすることなく飛ばせるようになる


3400gの機体、16インチのペラ、15CCのエンジン、

21.5のライン、時速95km、ラップ5.1


すべてがクレージー、問題外、だからオモロイ
しかし、過去に何度となくガルーダには打ちのめされた・・・・
パワーを落さないと飛ばせない、風が吹くとビビって尻込み、ワイヤーが切れたら・・・
ハッキリ言って「怖い!」「手に負えない」



すべてを克服して征服したい!



ついに、シャフト重心位置がハブの前に・・・


ツルターン・アルティメート72mmスピンナー


年末にタワーホビーから入手、正月飛行会でテストしました
全長は95mm、先端にアバウト100gの鉛を入れました
この状態は、シャフト重心位置がプロペラハブの前側にあります
その他は今まで通り


どうなったか?



振動が減り、パワー(回転数)が上昇


にわかに信じられませんが、サイサ振動が減って?滑らかに回転しています
ニードルは同じなのに回転数が上昇(計ってません)フリクションが減った?せいか
リーンになって息つきを起こします(笑えるデショ)
オモロイことに、2回目の飛行でニードルを開けましたが回転数が下がりません
エンジン・パワー効率が確実にアップしています
自動的にラップは5.5から5.1に上昇、ほぼ目的のパワーが出ています
操縦性は、テンションが上がった(7kg位)だけで手に就いてくるカンジはGOO〜〜
パワーが上がったので水平安定が悪くなった・・・
重いタイヤがホスイ
そんでも、パワフルでオモロイ!・・・OKAY
エンジンは噴け切っているので、加速するカンジ(怖さ)はありません
翼端ウエイトを減らせばテンションは元に戻りそうです


シャフト重心位置をハブの前に出すことで操縦性はかなり向上します



ナンでよ!



カウンターバランスを削ったり、シャフトを肉抜きしているのに


スピンナーを長くして先端に100gの鉛を詰めることは矛盾している


そのとおり!


詳しく経緯(珍説爆笑)を説明しやしょう


ステップ1

アウターローターが軽いと、ジャイロが減るという話を元にカウンターバランスを軽量化しました
飛ばしてみると、機体のイヤイヤが減り操縦性が上がったことがスグに分かりました
この変化は感動的で、永い間の疑問が解ける入口にいるような・・・・喜びが・・・
「そうだよ、軽くすればエエんよ」「カンタンじゃん」
やっぱクランクシャフトの重量が操縦性と関係しているんか???


ステップ2


「そんだば、軽量化するべ」
回転しているクランクシャフトを軽くするためにシャフト内側の肉抜きをしました

ところが、苦労したわりにはカウンターバランスの時のように操縦性は変わりません


肉抜きが足りないのでは???
ドライブワッシャーも徹底的に肉抜きしましたが・・・変化は分かりませんでした


「軽量化するだけではダメ???」

カウンターバランスのように、プロペラから離れた位置の大径重量物は効果がありますが
シャフト部分はあまり関係ないのかなぁ〜〜


シャフト重心位置に注目





イロイロやってみマンタ!


当初プロペラサイサが最も減る重心位置はプロペラハブのセンターだと仮定
電動含め、テストしましたが
どうやらプロペラハブの前のほうがサイサが減るみたい・・・・
タイヤ・ホイールで考えるとハブベアリングの真上が良さそうですが
プロペラは回転することで前進しますから、タイヤ・ホイールのようには行きません
前進することを見込んで、プロペラハブの前に重心位置があるのがエエかも・・・


この部分については、結論は出ていませんが
ガルーダでテストする限りでは、かつてないパワーで普通に飛ばせるように変わりました
最も結論がでるとオモロクないので謎が残ったほうがエエ






胴体スラスト理論(ノーブラー研究)


スタント機設計のキモがココにあるんよ!


理想はインライン?

つい最近まで思い込んでいました・・・・


最大の問題は、プロペラが回転すると正逆回転に関係無く



矢印の方向(上)に力が発生



コレがプロペラ第1のエラー



理由はワガンネ!



プロペラの最も不可解でオモロイところデンナ!
理由がわかったところで、キャンセルできませんが・・・・
背面でなぜか逆にならないところが混乱させるワケ
スロ〜〜スタント機が水平飛行で上向いて飛ぶ理由はコレよ

なぜキャンセルがムズイのか?
ダウンスラストが手っ取り早いんですが、力の大きさがプロペラ回転数によって
ゴロゴロ変わってしまうんよ
たぶん、プロペラを変えると力も変わるはず
力のカーブが2次曲線?
力の方向(角度)が正確に測れれば・・・・・
サイサとミックスされると・・・
プロペラは謎だらけ・・・




この問題にノーブラーは答えを出してマンヨ


倒立オフセット設計
なぜノーブラーはサイドスラスト0にも拘らず、
上下重心だけを下側に大きくズラした設計をしたのか?
サイドスラストよりプロペラが上方向に進もうとする力をキャンセルさせるための胴体設計をしている
時代背景は知りませんが、なぜアルドリッチ氏が設計理論を文献として残さなかったのか?
それとも残っているのかなぁ〜〜
サンダーバードは正立インラインから倒立オフセットに変更されています
こんなコトは、誰でも気がつくことだと思ったのでしょうか?
ノーブラーがバイブルたる所以の一つがココにあります



倒立オフセット理論


プロペラ推力は真っ直ぐ進みません
回転方向の反トルクで左右に曲がる話はおなじみですが
なぜか矢印のように上向きの力が発生しているのです
コレが原因でUP/DOWNの効きに差が生じ、大抵はUPが効き易いワケ
不思議なことに背面になっても力の方向は変わらず、下向きの力に変わります
コレって全く説明できません・・・・RC機で考えるともっと分かりません
当初は、Uコンの様にワイヤー拘束でグルグル回ると起る力ではないかと考えましたが・・・・
RCスタント機も倒立オフセットが常識みたい・・・
地上に置いた機体で考えると、プロペラ軸の下側に重心位置がある
もっと不思議なことは、正逆転でも力の方向は変わりません
つうわけで、地球が自転しているから起きる力と考えて止めときます
こんなコトを書いてあるプロペラ文献はタブンありません・・・・まさに珍説爆笑なんよ


しかし、ノーブラーを解析すると、この力をキャンセルする胴体設計がされています


倒立オフセットとは、重心を下げる手法


重心を下げることで上向きの力をキャンセルリングしている


オフセット a



主翼・Bクランクのスラストライン
揚力の殆どは主翼で発生していますから、このスラストライン上に揚力支点があります
揚力支点は機体の前後傾斜により動いていると考えます
出来る限りプロペラのスラストラインに近づけたい(インライン)ですが
重心位置から離れてしまい、機体が内傾する原因となってしまいます
そうなんです、主翼が捩じれていなくてもUコン機は傾く・・・・


ココがジレンマ

重心は下げたい!、プロペラ後流の真ん中にしたい!   どうすんべか?


なぜ真ん中にしたい?
だって、フラップがあるじゃんよ


 ○●流 オフセット a の決め方


プロペラ・ダイヤの1/2の1/3(ノーブラーは1/2)


16インチペラだと67mmなので、切りよく70mm


これでプロペラ後流をフラップに完全にブチ当てることが可能



オフセット b



ノーブラーのミステリー物語 ”bの悲劇”


ノーブラーは図面上、重心位置は主翼スラストライン上に書いてありますが
あれは、便宜上かもしくはカモフラージュ、ここが最大のミステリーなんよ
設計時には確かに主翼スラストライン上にあった・・・・
しかし、製作して調整する過程で重心位置は下がってしまった
ところが、発表された図面の重心位置は訂正されなかった
なぜ訂正されなかったのか?
たぶん、アルドリッチ氏は正確な位置を出せなかったと推測できます

理由は・・・・


パワーが変わると最適上下重心位置が変わってしまうんよ


パワーが出ると(ニードル失敗すると)、水平安定が悪くなるデショ


このミステリーがなぜ分かったのか?
ノーブラーの図面を見ると、大きなタイヤが指定されていますよね
なぜ大きなタイヤなの?
単純に考えると、タイヤを軽くすれば高性能になるデショ
当時のタイヤですからかなり重いハズ



重タイヤで意図的に重心位置を下げている


オフセットbは水平安定とUP/DOWNの効き方と密接に関係します


アルドリッチ氏が上下重心位置について正確な記載がなかったことが
今日まで倒立オフセット理論が語られなかった悲劇の原因となりました
もしも、主翼スラストラインより下に重心マークが記載されていれば
多くの方々が研究したことでしょう
まさに”bの悲劇”

そして、タイヤを軽くすることで高性能を実感できる人はいないはず
大抵の場合、機体の据わりが悪くなるし、操縦性も上がらない・・・


私は、このことが分からなかった
軽量化したい!
どうしたら脚を軽くできるか?
タイヤを少しでも軽くしたい
脚の高さを低くしたい
そんなことばかり考えていました

脚・車輪の重量は、プロペラの上がりクセをキャンセルするための重要パーツ
入念に重量を調整する必要があります
倒立オフセットのRCスタント機で昔のような引き込み脚は殆どありません(脚丸出し)
実機のアクロ機も同様

99艦爆が正確に急降下するためには巨大なスパッツ(ウエイト)は必要だった
スツーカもたぶん同じ、逆ガル・スパッツにして重心を下げている
重心が高いと降下中に機体が浮き上がろうとして目標がズレる・・・・たぶん


上下重心位置は、主翼スラストラインより下にくるんよ

そうでなきゃ、胴体下にチューンドパイプなんか付けられないでしょ
インラインを狙うなら、大昔のマットアローのように正立のチューンドパイプがエエ
胴体の上下重心ほど奥深くてオモロイ理論はありません
この理屈をGノーブラーに当てはめると・・・・全てが氷解する


つまり


胴体(高さ)を低くするメリットはありません


ズングリしたノーブラーより
ロープロファイルでスマートな現代スタント機はカッコ良くみえますが
結果的に操縦を難しくしている
ズングリした胴体は、倒立オフセット設計の追及が可能であり
長い脚は、軽いタイヤでバランスさせることが可能になる(軽量化)
スルドイ方はお分かりしょうが
日本の名機プリンスは倒立オフセット理論がピタリと嵌る



 ○●流 オフセット b の決め方


最終的には、飛行しながら探るしかありませんが
エンジンパワーが上がるほど重心を下げなければなりません
最悪なのが、主翼下面より下がってしまうこと
UP/DOWNの効き方が飛行姿勢により違ってしまう可能性あり・・・
宙返りがムズイことに


支点・重心のズレは、翼厚の中で収めたい


支点・重心のズレ、と言えば
テール:ノーズ、重心移動の話の蒸し返しになる
オフセットbをキーワードにすると、スタント機設計の全てが氷解する
語られることの無かったオフセットb



まさしく”bの悲劇”



オフセットbはスタント機設計のパンドラなのです



つうわけで、ぶ厚い翼型を使いマンヨ



センター翼厚25%ー翼端12%のテーパーはコレが理由


オフセットbが最適値より上側にある場合(下側にある場合は殆ど無い)
水平安定の据わりが悪くなり、チョットした風でフワっと浮き上がりやすくなります
UPが効き易くなり、正逆宙の大きさが揃わなくなる
調整方法としては、エレベーターダウントリムが一般的
ザックリとダウントリムで合わせて、タイヤ重量で仕上げる
文章で書くと、サイサ悪戯と区別がし難いですが
実際の機体調整で詳しく整理して説明しましょう
大事なことは、原因を見極めること
見当違いなアジャストは迷宮に迷い込み、抜けられなくなる


根本解決のためには、エンジン・モーターのダウンスラストが必要です





オフセット c


ダイレクト・リンケージ

珍説爆笑では、オフセットcはリンケージによって決まります
エレベーターには、プロペラ後流をUP/DOWN均等に当てる必要がありますが
プロペラが大きいのでオフセットcはプロペラ・スラストと重心ラインの中間にあればOK


ダイレクト・リンケージとは

ベルクランクからダイレクトにフラップ・エレベーターを駆動
差動が起きない直交・直線リンケージのことです
xはフラップ・エレベーターのホーン高さ、ベルクランクにx,yのスタッドを立てることで
差動が起きない理想リンケージになります


 ○●流 オフセット c の決め方


オフセットc = −a + (x-y)




水平尾翼のスパンは18インチ


プロペラは16ー17インチを使用します
プロペラ後流が当たらない左右にはみ出した水平尾翼は全方向から風を受けるので
百害あって一利なし、風に弱くなる最大原因となります
このことに気がついたのは、デカ垂直をアレコレ実験したからです
水平尾翼と言われていますが、ウイングオーバー中は垂直尾翼として働きますし
アワーグラス・頭上8を風の中行うことを考えると・・・・
スパンは18インチですが、前後はかなり大きな水平尾翼となりマンヨ
プロペラ同様、重心位置から離れた位置にある水平尾翼は風の影響をモロに受ける
水平尾翼容積云々は今回は無視します
理由は、プロペラ後流の中にある水平尾翼には関係ないから
水平尾翼容積理論はグライダーにしか当てはまらない」と考えます



YS91STと単純同調パイプ・GPタイマー


この選択が悩み処であり最もオモロイこころ
電動ガバナーと同等の働きをエンジンでどうやって実現するのか?
追い風・下りで負荷が抜けた時の加速をどうやって防ぐのか?


話はカンタン!


2速全開で飛ばすんよ


負荷が抜けると加速するのは、負荷が重くてパワーに余裕があるからです
負荷を軽く(2速)て、アクセル全開なら負荷が抜けても加速しません
クルマを2速全開で走らせることをイメージしてください

しかし、4STだと下りでオーバーレブ加速してしまう
だから2STで単純パイプ同調を掛けて回転数を強烈にロックさせます
負荷が軽ければ、混合気をリッチに設定できオーバーヒートはしません
単純同調パイプは同調すると混合気(ニードル)に関係なくガバナーが掛かる
この考え方は、まさにラットレースと同じでエンジンにとっては楽勝モードだからノープロムレブ!
問題になるのは、パイプとシリンダータイミングを合わせて強烈なロック(ガバナー)を掛けること
コレを基本にしてエンジンの改造とセッティングを出します


低負荷でエンジンをリッチで噴け切った状態で回すのがポイント

ヘリの3Dアクロ飛行時と同じだと推察し、YS91STを選びました

OSでも良かったんですが、YSを是非ともUコンに使いたかっただけ・・・・




ポンプは必須!


スタント屋さんは、ベンチュリー径によるサクションやユニフローに拘りすぎだと思います
燃料を安定供給するための手法なら他にもあります
燃圧をポンプ・プレッシャーで上げニードルで絞る
ユニフローよりはるかに安定するはず
高燃圧は、燃料タンクのエラーを減らしてくれます
コンバットのバルーンタンクと同じ
遠心力・重力・燃料移動に勝つにはインジェクション(高燃圧)にすればOKデショ
皆さんが乗っているクルマでキャブ車は殆どありません

余談ですが、私のV8サファリは燃圧4.5kpで使用してマンヨ
市販車は3kpくらいですから非常識な高燃圧、燃料パイプは工業用高圧ホースでんがな
エアクリ・マフラーはスカスカですからアメ車のバカタレCPUでは制御できない
アクセルワークとO2センサーのNFBが一致しなくてリーンになるワケ
リーンだとノッキングが起き、アホCPUは点火時期を遅らせちゃうのよ
するとトルクが減る・・・最悪なのは燃料カットされちゃう
エアフロセンサーに抵抗入れるとか、バイアス掛けるとか散々悩んだ・・・・

そこでアメ車のボロイO2センサーを国産に交換、そんで燃圧をド〜〜ンと上げ、
アクセルONの混乱期に加速ポンプもどきで燃料をドバ〜〜っと噴射
見かけ上は、レスポンスが良くハイトルクな高性能が実現
燃料供給のエラーは高燃圧で解決つう話
つまり、自然吸気(NA)キャブでエンジンを制御すること自体が時代遅れナンヨ
アルコール燃料では排気温度が低くてO2センサーによるNFBはできませんが・・・・
第一歩はポンプによる高燃圧・ニードル絞り



GPタイマー時代到来


エンジンの欠点は動作に普遍性がないこと
気温・湿度・気圧に左右されてしまうこと
排気量10CCなら燃料量で調節できますが、15CCになるとムズイんよ
ほんの少しの条件変化で大きく燃費が変わってしまう
燃料スカタンでしかタイムコントロールできないのは時代遅れ
FAIルール変更を積極的に利用するべきだと考えています
GPタイマー(FMA)でスロットルをサーボで動かし、エンジンカットを行います
燃料を使い切らずエンジン停止できるGPタイマーの恩恵は計り知れない







W・テンションを抑える珍説



超大型機は、ワイヤーテンション増大が大きな問題になります


機体重量に比例して増大するワイヤーテンション


皆さんも体験的にお分かりだと思います
この問題については、ガルーダで怖い思いをたくさんしました
テンション増大でワイヤーが伸びるのが分かる、腕はパンパンで握力が・・・・


「お願い、早く止まれ!」「やばい、ワイヤー切れるかも・・・」


一回飛ばすと、イヤになっちゃう
もちろん、操縦性も悪いからなおさら・・・「手に負えないよぉ〜〜」
風吹こうものなら、恐怖を通り越し戦慄モノよ
余談はともかく



機体に問題がなければ
ワイヤーテンションは、左右重心位置で決まります
つまり翼端ウエイト、コレを基本に以下を読んでくんしゃい




最大テンションは何kg?


ハンドルに鉄アレーを吊り下げテストしたところ
集中力を切らさず、手首をリラックスさせて6分間飛ばせる値は、トレーニングを前提として


およそ5kg


5kgの買い物袋を6分間持ってみれば分かります
大抵の人は、「コレじゃ無理だよ・・」となるはず
だから10kgなんてテンションは、問題外、せいぜい2分間が限界


わき道・・・
ワイヤーって切れるの?
ガルーダを作る際にワイヤー強度の実験をイロイロやりました
結論から言うと、いともカンタンに切れます
ユックリ引張るとネバリますが、ドンっと引張ると瞬時に切れます
悩んだ末に0.6/7本撚りに決めました




快感テンションは4kgくらいかな・・・



問題なのは、テンションの斑



演技中のスピードが変わるとリズムが狂うのと同じで
テンションの斑があると飛ばし難い、つうか、テンション抜けるとノーコンになる
ノーコンになるとますます偶然性が上がりムズクなる・・・
テンションが抜けないように体を使ってとばすことはアタリマエであり
まさしく練習がモノを言う・・・・コレをぶっ壊すのが目的


問題点は


水平と45度ではテンションが違うこと



上空テンションで調整すると、水平がシンドイ
上手な人は、甘いテンションの中、巧みにコントロールできますが
普通のオジサンには無理デショ
もちろん、テンションがあっても操縦性が低ければダメですが


この常識を打ち破るには



デカ・トサカを付ければOK!



瓢箪から駒デンナ!



ジャイロスタビつう振れ込みのアイデアでしたが
コレ付けると、水平のテンションが減って45度テンションが増えるんよ
飛ばして大笑い、「ナンじゃコレ?」
重心を跨いで前後に垂直スタビを付けると、風見鶏効果も減ることがワガッタ!
こんなデカイ鶏冠ですが、プロペラ後流の中のスッポリ入るので風の影響は殆ど(全く)受けません
無風時のグラグラも減るからオドロキ!
何よりの効用は、テンションの斑も減って飛ばし易い
水平のテンションを抑えられることでパワーも上げられる
角8の上辺で機体を走らせることができる

翼端に付けた○●スタビと効用は似ていますが、風が吹いても使える
ダメなら即撤去のつもりで付けたんですが・・・・大発見かもしれん


これだから、変な飛行機はオモロイ



ガルーダF2Bのイメージ



テール:ノーズは1:1の珍説


スタント機のテール:ノーズの理想とはナニか?
テールとノーズは条件が違いますから、自然の摂理として生る様にしかならない
飛行機はすべてバランスで成立っていますから、条件が違うことで成立っている
そんだば、条件が違うことを言い訳にする前に、条件が同じだったらどうなるよ
ココがスタートでなければ、理想論は語れない
生るようにしかならないのなら、設計する必要はない
設計とは、理想実現のために努力・研究することであり現状を容認していては進歩しません
もちろん、理想と現実にはギャップがあるのが常・・・
なんだか、説教じみてますが・・・・(年はとりたくないワナ)
こんな楽しみ方がUコンにはありますよん


重心位置と揚力支点にズレがあるので、ノーズの短い機体は垂直降下からの引起しで
姿勢変化に伴いバランスを崩して失速します
バランスが崩れる様子は、左右のブレード長が違うプロペラが水平以外でバランスがとり難い原理と同じ
現実問題としては、エンジンの重量がかさむため、ノーズを伸ばすことはカンタンではありません
ココに電動の優位性が出てくるワケですが・・・・
まずは、サイサを撲滅しないと前に進めない

出来る限りノーズを伸ばすための設計が必要です
ノーズを伸ばすことで、ハンドル操作に伴う姿勢変化の仕方が一定になり操縦性が向上すると考えています
言い換えると、「機体が良く見えるようになる」
具体的には、三角宙返りがやり易くなると予想しています




スタント飛行で最もムズイのが120度ターン


ココで最も効いてくるんが、テール:ノーズの関係
機体がブラブラになるんよ
90度ターンは垂直上昇になるので、重力しか邪魔しないけど
120度ターンはプロペラバランスと同じ原理が飛行中の機体で起りマンヨ
アワーグラスの登り・下りで直線を出すために当て舵が必要になる理由はコレ
機体が勝手にバランスを崩そうとする




珍説のトドメ!



前後重心位置なんかどうでもエエ珍説



要は、コレが言いたかったんよ

まずは、誤解無きよう・・・・
飛行機としてグライドしない重心位置ではダメですよ
要点は、機体の安定性・運動性に関して前後重心はあまり関係ないということ
すなわち、安定性を上げるために前重心にするとか(コレがキーワードなんよ)
運動性を上げるために後ろ重心にするとか・・・・
水平安定は上下重心であるオフセットbで決まります
機体が不安定になるのは、プロペラが回転するからであり、前後重心位置を調整しても不毛ナンよ
ラットレーサーが極端な前重心位置でも水平飛行するのは
パワー全開のプロペラが上に行こうとする力とつり合うから
前重心位置だとグライドしないと思いきや、肩より低い高度であればオモロイようにグライドする


ナニが言いたいか?


Uコン飛行機は通常の航空工学の理論が当てはまらない矛盾があるということ
少なくとも、滑空機の理論は当てはまらない
RCスタントとも違う、言い換えると
Uコン飛行機はもの凄くセンシティブだということ
でなければ、胴体スラストラインの話やプロペラが上に行こうとする力の話は出てこない
プロペラを変えると飛行性能が変わることしかり



理想の前後重心位置とは?



正直まぁ〜〜だワガンネ!


整理してみると
水平安定が悪いとき、前重心に調整すると改善されますよね
この事実をべつの角度から考えると
オフセットbが足りないことを前重心で補っただけデショ
言い換えると、オフセットbが十分なら後ろ重心でも安定して飛ぶ
後ろ重心にしても運動性が良くなるわけじゃなし
運動性能は翼面荷重で決まるのよ
大事な操縦性が上がらなくてはナンも意味無いガナ



大きな可能性とは


重心位置を前にすることで


オフセットbとcの差を小さくできる



本来の理想はb=cのはず


b=cならば、失速し難い安定したターンが可能になる・・・・


重たいノーズを伸ばすことで前重心位置になり、b=cに近付く



長いノーズは全てに有利?
そうとも言いきれない・・・・
ノーズが長いと、プロペラの力によって機体が後傾しやすくなるんよ
よりいっそう前重心にせんと・・・
ワガルかな・・・
全てがバランスしているんよ
スタント機設計はオモロイでしょ



アナタなぁ〜らどおする〜〜♪






ガルーダF2B





設計は、こんなスケッチから始まります
アレコレ考えながら鉛筆で書く時が一番オモロイ
最初の構想は、仕事中のクルマの中(渋滞中)で始まりました
雑記長に4B鉛筆で殴り書き・・・・ココから熟成がはじまります





実施設計の開始


スケッチを元に、実施設計を行います
前例が無いヘンチョコリンな機体の場合、細かい所に拘るのではなく、全体をまとめるよう進めます
設計理論は机上でまとまっていますからOK、実施設計は気の向くまま・・・
どおせ切った貼ったの改造が始まるのは必至ゆえ、複雑でななくアバウト・カンタンに考えます



胴体の概要


プレーンな角胴にラジアルマウント、上下にプロフィールのフィンを付けるだけ
排気管が胴体真下に来るようにエンジンは斜めサイドマウント
胴体下部には単純同調パイプ(ホームセンターのアルミ管)を搭載
エンコン・サーボやGPタイマーをスマートに搭載します
脚・スパッツはRCパーツの流用でウエイト調整をします
主脚の位置により尾輪の負担が大きく変わるので、慎重に位置決めします
基本はラットレーサーの主脚位置と同じ理論になるバッテン!

胴体側面積はノーズ・テールが揃うようにデザインしました
大面積ですが、プロペラ後流の中にスッポリ入っているのために
外乱の風には強くなり、Wテンションも抑えられるハズ・・・・
プロペラ後流のネジレが矯正されるためか?・・・無風時のグラグラも減ります



主翼の概要


リブをバルサで作ると高価になるので、フォーム翼です
3*6発泡の短辺を片翼に使えるような親切設計?
特徴は前進フラップ、翼端に行くほど前後重心位置に近付く設定ナンよ
ココの塩梅が微妙・・・・
翼面積を稼ぎながら平均翼弦を抑え、アスペクト比を抑えるとなると絶対必要になるワケ
フランスのべリンガースホーイは、小さなフラップでエレベーター・ターンですが
理想を追求したJAPANスタイルはフラップ・ターンを重視したニュートラル・ターンが主流です
ターン性能(揚力)とは、主翼で決まるのですが、適正エレベーターに対する逆エレベーターのフラップの役割が重要・・・・
ガルーダF2Bではココの理屈に道筋を立てたいと思っています


注目点としては
プロペラ後流が当たる部分の翼厚をデカクして抵抗を作り、翼端部分を極端に薄くして抵抗を減らす
重たい胴体周辺の揚力を増やして
強烈なプロペラ後流をデカイフラップ・エレベーターにブツけてコントロール




水平尾翼?の概要


見ての通り、前代未聞
否定論者はたくさんいるほうがオモロイ
カタチの発想は鳥ですが・・・・
プロペラ後流が当たらない部分は不要(邪魔)と考えました
参考にしたのはF2D機でして、プロペラダイヤがエレベータースパンになっていることです
俗に言う、水平尾翼とは違いまして
プロペラ後流の整流と抵抗の両立を目指しています
水平尾翼容積とかいう理論は無視しました
デカイ水平尾翼が主流ですが、効用があるのは水平飛行だけで、後は邪魔になるだけデショ
重心位置を挟んで反対側にある水平尾翼はサイサスタビになっているワケ
でもね、サイサの手当てをせずにスタビだけ大きくしても副作用がデカくなるだけ
つまり、操縦が難しくなる(練習量が増える)
なぜなら、アチコチから風が当たるから

整理すると・・・
最も風の影響を受けるのはデカイ主翼なんですが・・・
それは仕方ないと考えましょう
次に影響を受けるんが水平尾翼ですわ、問題なのは重心位置から離れていること
主翼はデカイけど重心位置に近いから反応が鈍い
離れたデカイ水平尾翼はモロに風が当たるとヤバイわな

デカイ水平尾翼は上空(機体が立った時)で風に弱くなる

この方式により、ウイングオーバー・頭上8・四葉・アワーグラスが楽になるんじゃないかなぁ〜〜〜
例えば、リバースはピッタリ風上からスタートしなくても真っ直ぐ上昇できるかも・・・・