ガルーダ・マシン18

KMC 第15回 【木村和郎杯】 U/C大会 2010




皆で盛り上げましょう!



日本のUコンに火をともし続けてくれた木村模型です
聖火リレーができるように頑張りましょう!



さて、ナニ作ろうか?


一種目だけのエントリーですから、飛行時間が長いF2Bのほうがナニかとお得?
だとすると、フェニックスはリポが小さいので無理だわな・・・・
電動Sハリケーンという計画はありましたが、ガルーダ設計して遊んでいたらいつの間にか大会1ヶ月前
アタマの切換えにモタモタしてるうちに時間切れ・・・・
ヘンテコ・スタント・マシンがありますが、息子の所有物になっているし
今となっては、設計が古い!


というワケで、


ガルーダ・マシンを作ることに決定!


ガルーダの設計理論をすべてスタント・マシンに移植しまんがな
前回同様、木村模型のキットを購入、改造して遊びます
試作を兼ねて、ガルーダ理論の徹底検証をしましょう


エンジンは、KK18デチュ〜〜ンSPをフルパワーで使います


つうワケで、キット購入しに


木村模型へ行ってきマンタ




最後の木村模型Uコン大会とインフォメーションされビックリ!
木村模型は無くなってしまうのか?
質問してみると・・・・
ご安心ください、今後もキット・パーツの生産は今までどおり続きます
キット・パーツはすべて自社工場で生産されています
すべて今までどおり、ナンも変わりません
残念ながら、輸入パーツについては在庫限りだそうです


じゃ、なんで最後の大会?


答えは、来年から名前(名称)が変わるかもしれない??? と言うだけです
激動・混迷の時代、将来(未来)のことは分かりませんが
近い将来、木村模型が廃業するとか、消滅するわけではありません
ご安心ください


大事なことは


皆で木村模型のキットを買いましょう、ではなく
Uコンのオモシロさ、楽しさを啓蒙していくことです
若い世代へのアピール、中高年の復活者を増やすこと、新しい遊び方を創り出す
そう、BS熱中クラブで採り上げてもらうとか
種の保存的活動をすればするほど、Uコン最期の日、が近くなる・・・・
小さなスペースで遊べるUコンは、都市型スポーツ系模型飛行機になりうる可能性があります
例えば、電動化はインドア含めUコンの幅を大きく広げてくれるはず




店内ですよん









まさにUコン館


店内はUコンだらけ、ゼ〜〜ンブ小型機
日本のUコンはスタント志向ですから、小型機の次は大型機、
そして競技専用大型機へとグレードUPしていく
ところが、ココにあるのは小型機だけです


木村模型の一環したスタンスが感じられます



こんなん、ありました





そんだば・・・・



ガルーダ・マシン極悪設計編



スタントマシンのキットをベースに大改造を行いますが
これは、スタントマシンの飛行性能が低いから改造するわけではありません
改造することで高性能になるワケではありません
超低性能になる可能性が十二分にあります
キット改造を推奨しているわけでもありません



胴体


エンジンを倒立に変更

倒立オフセット設計に変更して上下重心位置を下げます
主翼の取付けも胴体下側に変更
それに伴い、B・クランクを外翼下側に外装で取付け、内傾するのを防ぎます
胴体上下に大きなプロフィールフィンの取付け
主翼取付け位置をテールにズラしてノーズを長くします
重たいタイヤに変更


尾翼

垂直尾翼は止めます
水平尾翼のスパンは10インチに詰め、前後長を伸ばします




ココが目玉!


極悪主翼の巻き



左右重心位置の意味   翼端ウエイトの量の話



ガルーダF2Bで唯一触れなかったのが左右重心理論です
考え方は、倒立オフセットの上下重心の考え方を左右重心に置き換えるだけなんすが
21.5Mラインを5.1ラップで飛ぶガルーダに左右重心理論はほとんど不要になると考えたからです



Wテンションは左右重心位置で決まる


分かりやすい例では
エンジンが止まった瞬間からWテンションがガクッと減りマンヨ
エンジンが止まった瞬間は機体のスピードはそれほど落ちていないにも関わらず
Wテンションだけがガクっと落ちる
エンジンが止まった瞬間からWテンションは遠心力だけになるんよ
だとすると、遠心力が及ぼすWテンションはたかが知れるワケ
着陸グライドでWテンションがキツイ話は無いでしょ
コレって大型ガソリン機でも同じナンよ
そうなんです、遠心力・機体重量がWテンションに大きく関わっているのではありません
つまり、プロペラ推力がWテンションに大きく関わっているんよ



オフセットd



プロペラ軸と左右重心位置のズレであるオフセットdがWテンションを支配しています
プロペラ推力をWテンションに直結できるので、セイバーダンスのようにスピードが極端に遅くても
Wテンションを確保できるのです


オフセットdは翼端ウエイトで調節します


見ての通り、ウエイト0で左右重心位置はプロペラ軸(胴体)とほぼ同じ
ウエイトを増すごとに重心位置は外翼側に移動してWテンションが増えていきます
すると、主翼の左右バランスが崩れてターン時にローリングするのは周知の事実
重心位置から見て左右翼面積が違うのですから当然でしょう
こんなカンタンな矛盾が永年放置されてきたワケです


テール:ノーズと同じ


左右重心位置は主翼のセンターがエエ


リンケージは外翼側に移動、内翼・外翼をひっくり返して製作します


良いオジサンはマネしてはいけません



オフセットa.b.c.dがスタント機設計の肝になり
プロペラシャフト重心、機体の前後・左右・上下重心が飛行性能を支配しています
6年かかってやっとワガッタ・・・・



極悪設計編はこれでオワリ





製作編のスタート  ヤバイ、もう2月だよ





ガルーダ・マシン製作編



完成重量の目標設定


完成重量は600gを目指します

エンジン・金物を合わせると、350gくらいになりますから
生地完で200g以下でなければダメ!、これってカンタンではありません
キットをそのまま作ると、750gになる可能性大
製作時には秤を手元に置いて、常に重量管理をしないとメタボになります

この状態で66gもあるよ

念願の工作室も確保して最高の環境にあるんすが、老眼が進んで・・・・工作が辛い
近くが見えない苦しみは想像以上、しばらく機体製作から離れていたのも手伝ってなかなか進まない
道具を何処に置いたか忘れているのにも閉口・・・・
ここ一年、肩こりに悩まされているのも一因、老いとの調停をとりながらの前進・・・・


全備600gなんて無理だわな

スクラッパーは重くなりやすいガナ
白旗降参で750gを目標に変えます
変な機体は重くなるゼヨ・・・・塗装するの止めようかな



ガルーダDNAを強引に注入!


正統派スタント・マシンにガルーダDNAを注入!
見ての通り、悲惨な状況になってきました
クレグレもマネをしてはいけません、練習しても操縦が上手くならない祟りがありますよ


プロペラ後流の中にスッポリ入る胴体の上下フィン

効果的にプロペラ後流の整流を行い、フラップ・エレベーターの効率を上げる
重心前後の胴体側面積を揃え、直進性を出して遠心力を抑え安定したWテンションを実現



プロペラ後流の中に入った水平尾翼

水平尾翼の考え方を変えました
言い換えると、ラダーになったエレベーター???
ウンチクのはじまり、この話聞いて眠くなる人は正常な感覚の持ち主です
水平安定が悪い機体はあれども、左右に蛇行する機体は実機を含め聞いたことがない
上下には不安定になっても左右に不安定にはならない
後ろ重心でピッチングはしても、水平安定が悪いグライダーつう話もない
スタント機の水平安定が悪い原因は後ろ重心によるピッチングではありません
なぜなら、「オレの機体、着陸グライドでピッチングし易くてさぁ〜〜」つう話はあまり?ない
だから重心位置を前にしても意味がないことが殆んど
オマケに、ラットレーサーのように極端な前重心位置でも、
肩より低い高度でウイップすれば面白いようにグライドする不思議は滑空機の理論から外れる?
つまり、滑空機理論である水平尾翼容積の話は無視してOK
水平安定が悪いのは、プロペラ・サイサが原因
サイサ対策をしない限り改善はされません
それより大事なことは、プロペラ後流からはみ出した水平尾翼は全方向から風を受け
機体を不安定にすること
プロペラ後流の中にあれば、風からバリアで守られ安定した作用をする




プロペラ後流が当たる部分のみプランク


翼型形状に対しての提言です
翼型についての議論は永遠不滅、答えが無いから無限ループ
やれ、厚いだの薄いだの、アスペクト比含めて喧々囂々
別の見方をすれば、理屈は数あれども正解がないということは


要は、大した問題じゃない!


と考えるのが常道デショ


大した問題じゃない、つうことで片付けられるかと言えば、  NO!



ヒントは木村模型の震電にあります


機体重量はともかく、同じ翼型(リブ)を使っているにも関わらず
プロペラ後流が主翼・尾翼に当たらない先尾翼のスタント性能は著しく低下するという事実
最も効率のイイ先尾翼は翼型を追及すれば性能が向上するはずでしょ
型理論とはナニか?
実はコレも基本は滑空機(グライダー)なんよ
ギリギリの効率を追及する滑空機理論をスタント機に転用してもダメダメ意味無いガナ
航空工学はグライダーとプロペラ機が同次元で語られた悲劇があるワケよ
日本の航空工学は昭和20年で終わっている
残念ながら、平和な社会と航空工学の進歩は相容れない矛盾があるのか?
余談はともかく
プロペラ後流が主翼・尾翼に当たることが飛行性能を大きく左右する
だったら、プロペラ後流が当たる部分の翼型再現が重要でしょ
それ以外の部分のプランクどうでもイイのよ、と言う乱暴な考え
プロペラ・ダイヤが大きくなると飛行性能が上がったように感じるのはコレが原因





ノーズがなが〜〜い



これも意図的、従来の考え方はエンジンをオモリとしてしか考えていない
つまり、一方的に重心位置を決めてそれに見合うようにテール・ノーズを決めていただけ
今回のトライは、意図的に主翼を後ろにズラしたワケ
見かけ上重心位置は主翼前縁側に移動、重心位置を支点に旋回する従来の考え方からすると



さて、どうなるかな?



テール:ノーズは1:1であるべき


と言う理論展開をしていますが、再度整理する必要があります
前後重心位置を基準にテール・ノーズという考え方が一般的ですが


ホントかよ?


最大揚力は翼弦の風圧中心で発生していると教科書には書いてあります
そのことの真偽はココでは一時棚上げしましょう
重力に逆らって空中に浮かんでいるわけですから揚力が発生している所が支点になるはず


揚力が発生しているポイントを基準にテール・ノーズを考えるべきではないか?


そうだとすれば、重心位置と支点の考え方が明確に整理できまんガナ
重心位置と支点のズレの相関関係ですべて説明ができ
前後重心位置はノーズ側にズレることに対して問題点がないことが体験的に理解できます



以前、重心位置が動くと書きましたが


支点が重心位置だと考えれば成立ちますが
どうやら、違います





外翼のフラップのほうが大きい


裏側はスタントマシンそのもの
要は、スタントマシンをひっくり返して、倒立エンジンにしただけ
そう、倒立オフセット設計の検証です





全備735g(スピンナーウエイト53g含む)


軽いんだか重いんだか?微妙・・・・
重心位置は前縁チョイ後ろ・・・・ナンすが
主翼とは殆どインラインで重心(オフセットb)が下がりきらないため、上向きの力が働くハズ、だからOK?


ホントかよ!



新旧ノーズ長比べ


なんと40mmも違うんよ


旧作時は、機首が短いほど高性能になると信じていました
出来る限りノーズを詰めて製作、重心位置はスパーの上あたり
見かけ上は理想なんですが・・・・角モノは失速しやすくムズイのよ
誤魔化す操縦で必死だった、つうことで2種専用
回転数が決まると○モノはソコソコ飛びましたが、風に勝つために回転数をほんの少し上げると
サイサが強く出て操縦性が酷く悪化したんよ、つまり練習しても上手く飛ばない典型
サイサバンドがピンポイントでしかないワケ
偶然性が高く、「アレ?、アレ?、ア〜〜レ〜〜?」の連続



新作は正反対!
出来る限りノーズを伸ばしたんよ
重心位置をあえて無視してノーズを伸ばしたんよ
大抵の人は、重心位置を気にします
紙飛行機の経験があればなおさら・・・・
最適重心位置でなければ飛行機は飛ばない!
確かにそうなんですが・・・・
グライダーとプロペラ機を混同して考えているのでは?
というのが始まり・・・・
プロペラ機は主翼と上下重心位置の関係が飛行性能に大きく関係するのでは?
なんですが
まずは前後重心位置から始めます


前後重心位置を考えマンヨ!
















もう少し・・・


どう見ても、スタント・マシンには見えないわ・・・OKAY
こう言う改造は、作る時間より眺めている時間のほうが長いワケ
眺めてニヤニヤしている時間も飛行機遊びの大きな要素つう話、そう、つまり醍醐味
コミックエントリーの様相が強いですが、これでも本人は大真面目なんよ
結果が楽しみ


燃圧を上げます

給油・ユニフローともに4mmパイプに交換、断面積を2倍にして抵抗を減らし
同時に燃圧を上げてニードルを絞り、安定供給をはかります



ニップルも大径化



スピンナーウエイトは、53gから減量していきます


私のやり方は、ジワジワ減らしたり、増やしたりしません
極端から始めないと疑心暗鬼になり、逆に時間が掛かリ堂々巡りのスパイラルになる