キングフィッシャー研究


機体はキングフィッシャー


木村和郎設計の最高傑作スタント機はナニか?
各種見識はあると思いますが、私はキングフィッシャーだと考えています
シャークやミゼットも魅力ありますがw 王道行くならキングフィッシャーでしょう
エンジンはKK18改(ロータイミング)と逆空転ペラの組合せ
珍説爆笑Uコン技術を使い最高性能を狙います






フェニックス VS キングフィッシャー


木村模型15クラス、似たような機体に見えますが、フェニックスとキングフィッシャーは大きく違う
意図は不明ですが、木村和郎氏は多彩な設計を展開していたことが分かります
木村和郎氏の凄さはオリジナル性にあります、外国のマネ臭さがありません
共に15クラスのみ、35クラスへの発展はありません
ビジネスを考えれば、上達するに従い大型機へ移行するので作れば売れるはずですが
木村氏は大型化に興味が無かったのかも・・・・
野次馬的には大型化したらどうなる?競技志向で考えると興味は尽きません


フェニックスは正立インラインでノーズが短くテールが長い


そんで前重心位置を指定


スタンターと言う称号が与えられたスタント競技機




キングフィッシャーは倒立オフセットでノーズが長く、テールが短い


なぜか後重心位置を指定


スタントトレーナーと言う位置付け、ラダーオフセットは無し


普通に作れば、重心位置は逆になるはず・・・
Uコンはシンプルゆえ奥が超深い、図面を見るだけでその面白さが伝わります
フェニックスはスタンターと言う競技機ですが、キングフィッシャーはスタントトレーナー
木村氏はフェニックスのほうが優秀だと判断していたようです
私的には、キングフィッシャーに大きな優位性を感じます
カスタムKK18を搭載して木村和郎杯を目指します
もちろん無改造が前提ですが、ほんの少しだけ特製スパイス入れちゃおうかなw




キングフィッシャーの問題点


なぜフェニックスのほうが上位なのか?


スタント・トレーナーという位置づけのキング・フィッシャー、木村和郎設計トップはフェニックス
60年代にもこの論争はあったかもしれません、フェニックス VS キングフィッシャー
機体構成を考えると、オール・アメリカン VS ノーブラーとも言えます


図面から浮かび上がるポイント


キングフィッシャーの図面にはエンジン正立で製作するバージョンが記載されている
普通に考えれば、エンジン始動に不慣れな初心者は正立搭載で製作するように見えますが
そのコトに対する記載は一切ありません、なぜエンジン正立用図面を添付しているのか?
エンジン倒立・正立でナニが違うのか?



問題点なんて書くと、まるで欠陥設計のようになるので


Uコン機設計の面白さで行きましょう
エンジン倒立にすると機体の上下重心位置がプロペラ軸より下側に移動します
とりあえずベルクランク付ければUコンなんてグルグル飛ぶだけだからカンタン
な〜んて思っている貴方、Uコンはシンプルゆえ奥が深いんですよ
重心位置が下側に移動するとどうなるか?
上下重心位置と密接に関わってくるのがベルクランク(リードアウト)の上下位置でして


上下重心位置がベルクランクの上だと


機体は外傾



上下重心位置がベルクランクの下だと


機体は内傾



上下重心位置がベルクランク位置なら


機体は傾かない



傾きについて書いてますが



スタント機が外傾・内傾すると著しく性能低下



スタント機はほんの僅かでも傾むいてはいけません
なぜなら、正面・背面で同じ飛行性能を実現する必要があるからです
傾いている場合、内傾側の飛行でワイヤーテンション保持力が低下、飛ばし辛くなる
傾きの発生する原因は他にも主翼の捩じれをはじめ多々ありますが
機体調整の基本は傾きを直すことから始まります
とは言え、設計段階で傾かないようにする必要があります


この視点でキングフィッシャーの図面を見ると


ベルクランクより下側に殆どの重量物があるため、上下重心位置はベルクランクより下側になる
つまり、正確に作ると機体は内傾してしまうのです・・・・
固定フラップを外傾方向に大きく捩じらなくてスタント飛行はできません
ベルクランクを主翼に内装すれば傾きは無くなり?ますが、製作難易度が上がり
木村氏が目指した初心者対応ではなくなってしまう・・・・・
そこで重心位置を上げるためにエンジン正立仕様の図面を添付したと考えられます
あくまでも憶測ですが、図面通りに製作すれば傾かずに飛ぶフェニックスを上位にした
木村氏はインラインを理想と考えていたのかもしれません・・・


キングフィッシャーの能力を引き出すにはベルクランクを内装にする必要がある



エンジン倒立の重要性


問題があるなら、エンジン正立で製作すれば無改造で済むのに
なぜあえてエンジン倒立で製作しなければならないか?
それはね、カッコイイから・・・・じゃないよ


エンジン倒立とスタント性能(UP/DOWNの効き方)は大きく関係している


エンジン正立にすればベルクランクの位置を下げないで済むのに
わざわざエンジン倒立にする理由は・・・・
プロペラ軸より重心位置を下げる(低重心化)必要があるからです
この設計を世界で最初に行ったのはG・アルドリッチ氏の名機ノーブラー35になります
当時、サンダーバードはエンジン正立でしたが、ノーブラーの出現により倒立に改造されました
以後、競技用スタント機の殆どはエンジン倒立が常識になりました


エンジン倒立による低重心化によって


水平飛行時に重力に対してダウン方向の力が発生し


背面飛行時は重力に対してUP方向の力が発生します




水平飛行時




背面飛行時




垂直上昇時


改めて書くほどのことではありません
皆さんご存知のスタント機の側面形ですが・・・・
よくよく考えると・・・ナンか変だよ


なぜこの状態で真っ直ぐ飛ぶことができるのか


分かり易いのは垂直上昇時、重心からズレた所にプロペラがあるワケで
どう考えても真っ直ぐ上がらないハズ・・・・ウイングオーバーに入れ
真っ直ぐ上げようとしてもダウン側に倒れやすい、重い方へ引っぱられる
ところが、現実は逆でUP側に倒れるクセで悩むフライヤーは多い
特に三角宙やアワーグラスの登りはUP側に倒れ易く偶然性が上り練習で悩まされる



機体自体はダウン方向へ行くような位置関係にあるのに、実際にはUP側に取られ易い



機体のダウン癖をキャンセルする方向の力が働いている



発生源はプロペラ



プロペラにはUP癖がある


この力を発見・認識して設計に取り入れたのがG・アルドリッチ氏であり
生まれたのがノーブラー、但し文献が残っていないため真実は分かりません
しかし、この考え方でノーブラーの図面を分析・解釈すると驚くほど各部に当てはまりますw



プロペラ・エレクト


私が命名しましたw
プロペラは勃起するのです
勃起力は年齢で決まるのではなく、回転数に比例して大きくなります
つまり、プロペラ回転数で飛ばし易さが決まることを意味します
回転数が上がると勃起力が大きくなってUPが強くなりダウンが弱くなる
宙返りはドンドン中へ入り易く(舵圧が軽い)なり、逆宙はデカク(舵圧が重い)なる・・・


プロペラ・エレクトは不思議


なぜUP方向に取られ、背面でも変わらないのか?
Uコンだけじゃなく、RCで考えるともっと不思議・・・・
水平飛行中に1/2ロール入れると背面になる、軸を通した飛行をするには
Uコン・スタント機のような倒立オフセットが必要になるハズ・・・
その昔、RCでロールする時、背面になった瞬間ダウン入れないと軸がブレた・・・
当時の理屈じゃ、1/2ロールしてナイフエッジで揚力が無くなり高度が下がるから・・・でしたが
もしやプロペラ・エレクトが原因かもしれない




調整方法は


上下重心位置を変える
タイヤを重くしたり軽くしたりすればOK
もちろん、上下重心位置を変えると主翼の傾きも変わりますから
リード・アウト位置の上下調整も必要です



スタント機のエンジン倒立は重要なポイント


スタント機は低重心化を図り、プロペラ・エレクトを抑える必要があります
プロペラ・エレクトによりUPが強く、ダウンが弱くなります
スタント機はUP/DOWNで効き方が異なると飛ばし難いだけでなく
慣れ(練習量)が必要になり、機体ごとにその特性を覚える必要があります
最適回転数が決まったら、上下重心位置調整でUP/DOWNの効き方を揃えることが可能





テール:ノーズについて考える


図面を見比べれば一目瞭然、


フェニックスはテールが長くてノーズが短い


キングフィッシャーはテールが短くてノーズが長い



さぁ〜、どちらが有利なのか?



と、その前に・・・・
テールとは重心位置から後の長さ、ノーズとは重心位置から前の長さを言います
殆どの機体は、ノーズが短く、テールが長くなってます
理由は機首に重たいエンジンが付いているためテールとバランスさせるために必然として
ノーズを短く、テールを長くしてバランスしています
重さが違うテールとノーズのバランスをとるために長さが違うのです



キーワードはバランス!


ノーズ、テールの長さが違うのはバランスをとるため・・・・
つうワケで、プロペラを例に考えてみましょう
プロペラ・バランサーに載せてバランスをとり、プロペラ・ハブが機体の重心位置として考えます



上のペラはノーマル
下のペラは一方(ノーズ側)のブレードを短くカットしたチンバ・ペラ
バランスをとるためにビニールテープを巻いてウエイトにしてあります
ウエイトはエンジンと考えてください



水平でバランス


ノーマル、チンバ共に水平では安定したバランス状態で停止
飛行姿勢に例えると水平飛行と同じ、ノーマル、チンバ共に水平時は安定しています
テール、ノーズの長さについては、水平飛行時は殆ど関係無いと言えます・・・・
なんですが、実は大きく関係しています(後述)
特にチンバの方は、ノーマルに比べ水平保持力が強く、回転しても必ず水平で停止
その様子はまるで自動復元するかのように水平で停止します




どこでもバランス!


ノーマルはどの位置でもバランスしてピタリと停止します
指で動かしてもオツリが無く、どこでも停められる
バランスが取れたペラなら、アタリマエと言えばそれだけですが・・・・
スタント機に置き換えると操縦した分だけ姿勢変化して余計な力が加わらず
あて舵が不要(最小でOK)、思い通りの操縦ができるような感じです




チンバは・・・・


ペラの片側を少しだけ短くしてバランスするよにウエイト付けたチンバですが
ノーマルとは全く違った動きで驚かされる・・・・
大抵のスタント機はチンバ状態であり、要約すればチンバの度合いが違うだけ
テール、ノーズをプロペラに置き換えると驚くべき事実が分かります


チンバは水平以外では停止しません


それどころか、姿勢が変化すると水平に戻ろうとする力が働く
すんなり戻るかと思いきや、振り子のように振動が始まる
スタント機で考えると、操縦すると水平に戻ろうとする力が働き
操縦して水平に戻そうとすると、振り子のようにオツリが出る



重いエンジンを積もうとしてノーズを短くすれば水平状態の重心位置は変わりません
飛行性能は水平飛行では変わりませんが、操縦すると大変なコトが起る
姿勢が変化すると予想外の力が働き、操縦の邪魔が始まる
操縦による姿勢変化は機体の許容範囲でしか起こりませんが、余計な力が働けば失速が始まる
タイヤで言えばスリップが始まる、空気に貼りつくような、とは反対のスライドする感覚
そればかりか、機体自身が安定領域を求めて振動を始める(操縦とは無関係)
水平飛行でこの振動が始まると・・・・




まさかココまで影響がデカイとは実験するまで分かりませんでした
バランサー上のペラを見ると寒気がする、机上の検討だけではダメですわ
狭い範囲を飛び回るスタント機の胴体設計がいかに大事か・・・・・
同じ主翼でも胴体次第で飛行性能がコロコロ変わる可能性があります
同じ設計のスタント機でもほんの僅かな重量分布の違いで飛行性能が変わるはず
実際問題として、テール:ノーズは1:1には出来ませんが
ノーズ、テールは、できる限り長さを揃え、テールにウエイトを積んで調整する必要性を実感!
重心位置が同じでもノーズが短くしたスタント機は使い物にならない
水平状態での重心位置は滑空機(水平飛行中心)理論であり
スタント機の場合は姿勢変化によるバランスを重視した胴体設計が求められる



スタント機のオリジナル設計を目指している方は是非同じ実験をしてみてチョ
操縦以外の力が働き、機体が動いしまうことが実感できますよw



つうワケで


チンバの度合いはキングフィッシャーのほうが少ない


理想を言えばノーズ:テールは1:1、完璧なバランスは完璧な操縦性を実現する
完璧じゃなければ、ベターを選ぶしかありません



やっぱ、キングフィッシャーでしょう!




50年以上?前に設計されたキングフィッシャーですが
掘り下げるとオモロイ事がザクザク出てきます
Uコンはシンプルゆえ、超奥が深いんよ、カンタンそうで超ムズイw
科学遊びの題材としては王様級デンナ



まだまだザクザク有りマッセ!





低重心化とプロペラ・エレクトの関係、ノーズ・テールのバランス
まずは2点について書いて来ましたw
どちらもスタント機の設計において重要な問題、なんですが
低重心化してノーズを伸ばせば高性能になる?  な〜んて甘い話じゃありません
シンプルなUコンの競技用スタント機が永い年月を掛けて現在のカタチになったのは伊達じゃありません
私はマネ・真似・マネと揶揄していますが、良かれと考え変更しても好結果が出せない
数多くの挑戦者が挫折して現在のカタチに落ち着いた・・・と言えます
その理由は全ての要素がシソーバランスで成立っているからなのです
つまりノーズを長くすると新たな問題(サイサ)が発生して高性能どころか酷いスタント性能になる
その逆もありで、ノーズを短くすると酷いスタント性能になる
ミリ単位の試行錯誤で現在のカタチに落ちついた、ってワケ
だからシロートが設計に手を出すより、信頼された機体で練習するのがイチバンと言われる所以
シンプルで歴史のあるUコンに問題解決の新たな切り口が無い、と考えられている
ソリャそ〜〜だ、アチラを立てればコチラが立たず、互いに中腰にすることが求められる


話はカンタン、シーソーバランスをぶっ壊せばエエんよ



最大の問題はプロペラとその回転軸



エンジン・ジャイロ・サイサの番だよ



重いエンジン・・・

キングフィッシャーが設計された当時は、軽量な15(OSとか)をノーマフラーで搭載が前提
現代のエンジンは重いし(ハイパー)マフラー装着が前提ゆえ重心位置が設計通りになりません
エンジンが重いためノーズが伸ばせないなら、自ずと性能限界が見えてしまいます


今回はテールにウエイトを付けてノーズを伸ばす




ハイコンプ・ユニフロー



燃圧を上げる必要性


エンジン調整の要は、燃料供給能力を上げること
姿勢変化の激しいスタント機のエンジンを安定して回すためには燃圧を上げる必要があります
燃圧を上げることで、ニードルを締めることができます(供給量は同じ)
燃圧を上げることで、タンクの液面変化による回転数に変化を最小に抑えることが可能


新しいエンジンはサクションが弱い?


以外に思われるかもしれませんが、最新のエンジンは70年代のエンジンと比べてサクションが弱い
最新のエンジンは燃料タンクの高さ調整をシビアに行うのが普通で、最後はミリ単位で調整します
エンジンによりますが、ニードルと同じ高さになることは希で考えさせられる事が多い・・・
ところが、70年代はニードルと給油管の高さを揃えればOKでタンクの高さ調整はしなかった・・・
つうか、図面で固定されいて調整できなかった
復活して最初にこの問題で悩まされた・・・・飛ばすたびに配管位置を変えたり、高さを弄る
70年代は鈍感で気付かなかった? とも考えましたが、そんなコトはありえないでしょう・・・
70年代と比べて、新しいエンジンはサクションが弱く感じられます
70年代はZタンクが主流でしたが、現代ではアリエナイ、なぜなら燃料供給が甘くなり回転がバラつく



ナ〜ンでか?



高出力エンジンほど低回転時のサクションが弱い


繰り返しますが、シンプルなUコンは超奥深いのです
気にも留めなかった小さな変化が大きな結果として現れる


サクションはクランク・シャフトの内径で決まる



ベンチュリーの内径を気にする人は沢山いますが、クランクシャフトの内径を気にする人は殆どいません
ベンチュリーの内径はサクションに影響しますが、クランクシャフトの内径はもっと影響します
なぜなら、1次圧縮の充填率はクランクシャフトを通過する吸気スピードで決まる
ベンチュリーで絞られ吸気スピードが上がっても、その後がガバガバでは吸気慣性が付かず
スピードが一気にダウン・・・低回転重視のスタント機ではモロに影響すると考えます
エンジンは高回転・高出力化で進歩してきました
クランクシャフトは太くなり、内径が大きくなることで高回転・高出力化には有利ですが
エンジンの高効率化は、低回転を必要とするスタント機にあらゆる面で不利に働きます
我々が求めるスタント専用エンジンとは、使用する回転数に応じた最適効率化なのです



プロペラシャフトの太さから見ると内径が小さい
徹底的に軽量化され、吸気ルートの短縮化もされてるようです
使用回転数を限定して最適効率化を図っている、何度見ても惚れ惚れします



余談ですが・・・・

バイクやクルマの4STエンジンのチューンナップでポート研磨があります
ポートの拡大とビッグバルブ化、そして滑らかに研磨する
チョッと前まで常識でしたが、今は殆どやらないそうです
なぜなら、ポート拡大を行うと吸気スピードが落ちて充填率が下がる(ベルヌーイの定理
もちろん使用する回転数と目的とのバランス問題ですが、クランクシャフトの吸気内径も同じ事が言える



サクションが弱いから燃圧を上げて安定マージンを確保





KK18○●スペシャル慣性?モーメントだべ



模航研(古崎大将)に空転ペラ用パーツを作ってもらいマンタ
大会まで10日ですが、余裕のヨッちゃん・・・つうか、いつも通りで舐めてますw
さ〜て、どうなる?



クランク・ケースは選別品

KKシリーズは16が3台(エアレース用)、18が1台(模航研デチューン)所有しています
チャンピオンのクランク・ケースはフェザント(ラットレーサー)に使用
次に直交歪みが少ないクランク・ケースを使い18を組みました


模航研デチューン

シリンダーのスカートをカットしてロータイミング、ハイコンプ仕様になってます
CLスタント専用エンジンとして製作しました
ニトロ23%のクロッツ燃料を使用、低回転高トルク型で原理的に回転数が上がりません
電動ガバナーのような効果を狙っています


逆空転プロペラ


逆空転によりジャイロをキャンセル
ドライブ・ワッシャーは薄くしてクランク・シャフトを短くし
真鍮ナットはスピンナー・ウエイトとして作用させてサイサのキャンセルを狙います
空転機構は電動フェニックス方式は流用しました





どうよ!       慣性モーメントだべ


全備重量700g

木村模型のスタント機としては重量級、レーザーカットの側板や胴枠はまんま使用
テールにウエイト40g積んで重心位置は設計どおり
長いノーズに現代のエンジンを積み、テールにウエイト積んでバランスさせる
ノーズには空転ペラがあるので、実質的にはノーズ延長と同じ
バランス性の向上で高翼面荷重に対抗できるか?
つうか、軽くするだけじゃ高性能には・・・・
反面、重くなってしまってもバランス性向上で補えるか?
重量級+空転ペラだとエンジンパワーが必要、つまりフルパワー・スタント



低重心化

9インチペラを使用するため、脚を長くする必要があり、必然的に重心が下がります
スパッツはウエイトとして考えています
重心位置を下げると内傾するので、リードアウト位置は下げて対応しました
そんでも内傾したら、フラップ捩じって調整・・・・




キングフィッシャーは細身で尖ったスタイルが特徴だと思ってましたが
多少のモデファイでグラマスに見えるのが不思議・・・・





面白いブログ発見!     http://blog.livedoor.jp/oobakataisan951/



どうやら熱烈なファンみたい・・・・・あわせてご覧になると理解が深まりますw


コメント投稿はご遠慮くださいw






操縦慣性について・・・・


俗に言う「慣性がデカイ」について考えます


一般論では、重量が増えたり、テールが重い場合に操縦中に姿勢変化で動き出した機体が慣性を持ち
操縦以上に動いて止まらない状態を「慣性がデカイ」と言います
慣性という言葉通り、重量が重いと起きると考えられますが・・・・



軽い機体でも起る



落として修理した機体が補強により重くなり、慣性が大きくなることは有名・・・・
つまり、落すと元に戻らない、カタチが元通りに成り、狂いが無くても元の性能に戻らない・・・・
練習機ならともかく、競技機は落すとオシマイ(終了!)、修理しても・・・・
コレって常識なんですが・・・そうとも言えない


軽い機体でも慣性を感じることがあるのです


慣性の言葉どおり、動き出したら止まらない



舵が効く事と慣性は似ている?

よく「舵が効く」と言ったりしますが
裏腹として効き過ぎてアテ舵が必要な場合があります
動き過ぎを止めるようにアテ舵を打つ・・・・操縦者の感覚以上に機体が反応してしまう
舵が効かないのも困りますが、効き過ぎも困る
写真の電動機は、テールが長くてノーズが短いため敏感に反応しますが、抑えが効かない


バランスが悪い


姿勢変化が始まると、バランスが崩れ舵が効くように感じますが、今度は抑えが効かない
ハンドル・ピッチを下げて舵が効き難いように設定してもバランス崩れは変わらないため
操縦性は変わらないのです、ココが大きな落とし穴ですわ


つまり、舵角を変更してもナンも変わらない


フラップやエレベーターの舵角を調整してもバランス崩れは変わらない
バランスが崩れることで舵が効くように感じるだけ

ココが整理できないと泥沼に・・・・


抑えが効かない = 慣性がデカイ


と感じる・・・・つまり軽い機体でも慣性がデカイ?
敏感に反応することと、舵が効くことは違う
理想は操縦しただけ瞬時に反応して直後に収まるコト
つまり慣性は感じない


理想は「意のままに操ることが出来る」


余計なこと考えずに操縦できること、だから練習量が減らせるんよ



胴体設計はスタント性能のあらゆる要素を内包している


ノーズ:テールの関係(バランス)はじめ、上下重心位置(上・下舵の差)による調整など
機体の性能に直結する要素がたくさんあります



プロペラ同様、胴体はバランス保持性が重要!


修理した機体が元の性能に戻らないという事は、言い換えると設計が同じでも同じ性能にならない
機体のアタリ/ハズレはホンの少しの違いで発生している事を表しています
ホンの少しを大きく拡大して分析できなければ進歩しません
ポイントはバランス保持性だと考えています







今回用意した各種ウエイト


キングフィッシャーはノーズが長いのでサイサが出やすく、キッチリ調整する必要があります
まずは水平飛行、ロックオンしてベッタリ張り付くように・・・・

スピンナーウエイトを増やしていくと、外傾が始まりますので
その都度、フラップを捩じって調整していきます






祝・初飛行!



キングフィッシャーようやく初飛行!
大会まで7日、集中的に調整・練習しますw
久々飛ばしたら、目が回ったw、小型機でパワー全開!、少年Uコン・ジャンプ
F2Bにエントリーしたかったんですが、燃料タンクが小さくて・・・・残念ながら2種スタント
空転ペラは失敗でした
空転機構の強度が足りなかった、電動とエンジンでは振動モードが違い、飛行中にシャフトが折れた
再度挑戦なんですが、空転ペラがあるとプロペラ負荷が大きくなり、エンジンが持たない
プロペラを小さくする必要があります
電動は素直で、リポに負担が掛かるだけですが、エンジンは許容量(余力)が少ないので無理がきかない
機体に搭載する前にテスト・ベンチで確認する必要があります
空転ペラは失敗でしたが、もう一つテーマがスピンナー・ウエイト



空転ペラの失敗については後日詳しく





スピンナー・ウエイト


ピノキオ・スピンナー


まるで誰かの鼻のよう・・・・


ピノキオと違い、嘘の話ではありませんw
スタント機の操縦性とクランクシャフト(プロペラ軸)重量バランスは密接に関係しています
と言うか、クランクシャフトで全てが決まる
原因はサイサ(俗称)、ジャイロ・プリセッションとも言います
要は、操縦の邪魔をされる、磁石の反発のように不規則に邪魔されます
操縦と同時にプロペラ軸がスリコギ運動を始め機首が上下にグニャグニャ動く
水平飛行時に起ると水平飛行しなくなります
操縦が上手く行かず、イライラするのはサイサが原因なのです
スタント練習とは、サイサとの戦いとも言えますが
磁石の反発ですから、ひたすら練習して克服できる類の癖ではありません
外から見ていると、操縦がヘタに見えますが、それは機体が操縦に対して反発しているだけ
サイサはプロペラ回転数と密接に関係しています、ほんの少し回転数が変わっただけで
操縦性が変化するのは、サイサの出方が変わるから、だからエンジン調整が重要になる
エンジンを使いこなすコトとは、実はサイサを抑え安定した操縦性を得ることなんよ
モーターはエンジンに比べ回転数制御は容易ですが、エンジンに比べプロペラ軸が重いため
エンジンのようにサイサを抑えることが難しく、飛ばし難いと感じる原因になっています
サイサは回転数が下がると小さくなります、モーターは回転数を下げれば飛ばし易くなりますが


見た目が非力になるので評価も下がる・・・・・コレが電動負のスパイラル


電動を批判しているのではありませんw
問題点を明らかにして解決へ向け試行錯誤することが重要
今年は電動ガンバリまっせ!
コレこそ、模型飛行機(科学)アソビの醍醐味なのです



現状のエンジン・モーターはすべて

プロペラ軸の重心位置は機体側(プロペラ後方)になるのでサイサが出る


サイサが最も出難いプロペラ軸重心位置は未だ不明ですが、
少なくとも、プロペラ前方に重心位置が来ないとダメです



前にすればするほど、飛ばし易くなる
当初はプロペラを独楽に例え、マックスウェルの独楽と同等を目指しましたが
プロペラは回転することで前進するので、重心位置はプロペラのかなり前方に最適位置があるようです
テストが足りず、まだ答えが出ていませんw



サイサのチェック方法


水平飛行・・・・

水平飛行のサイサは周期が長いのが特徴、ハンドルを動かしていないのにフラ〜〜フラ〜〜
と嫌な感じで始まるサイサ、酷い時には無風でも発生
逆に操縦して抑えようとしても操縦と同時にサイサが起きるので厄介・・・
回転数をほんの少しだけ下げればOKの場合が殆どですが、根本的な解決にならない
ウエイトを増やして調整します

ノーズが長い機体では特に起き易くなる



宙返り/逆宙返り・・・・


定量のアップ・ダウンで綺麗に旋回すればOKですが、あて舵が必要になったり、ピリピリした操縦性は
サイサが原因、同じ軌跡に載せるが苦労する原因はサイサ、宙返りより逆宙返りのほうがサイサが出易い
ウエイトを増やして調整します




横8交点・・・・


サイサが最も分かり易いのが横8交点になります
あらぬ方向へ機体がスライドしたり、交点がイビツになるのはサイサ
コレは凡人では練習で克服できません
回転数を下げれると飛ばし易くなるのはサイサが原因です


騙されたと思ってウエイト増やしてください


回転数を下げずに操縦性を上げることが可能



ホントかよ!


ホントですw
シャフトの重量が上がることでジャイロ効果が大きくなるんですが、
サイサが抑えられれば、ジャイロが大きくなっても操縦性は悪化しません
逆説的には、ジャイロが大きくなってもサイサ(スリコギ運動)が出なければOK
プロペラは独楽ではありませんが、マックスウェルの独楽状態にすることで
シャフト重量が増え、ジャイロが強くなっても操縦性は向上するのです
ガルーダは200g以上のスピンナーウエイト入れていますが、操縦性はドンドン向上しました
ノーズも50mm延長、アリエナイ話ですが、気味が悪いほど向上しています
操縦性が上がれば、機体に慣れるだけ(年間20フライト)で競技会参加が十分可能
もちろん、基本となる視力トレーニング(アタマを固定)は必要ですが・・・・
私のような練習嫌いにはピッタリ!



初回インプレ・・・


正月にガソリン機飛ばして以来、全く飛ばしていませんw
逆転ペラはあえなく失敗・・・・
シングル・ペラ+ウエイト25gで調整開始、ワイヤーはパワーズ7本撚り16.5m完成品
ハンドルは木村模型の標準型、久々のUコン、機体は小さく、遠くに見えますがエンジンはかなり回って
アララ・・・目が回るwww、フラフラして笑えます
まずは慣れないと話にならない、ひたすら飛ばしました、操縦感覚はリセットされているのでOK
グルグル飛ばして、4回目くらいでやっと機体が見えてきました、まだ演技どころじゃないし
調整も間々成らない、何回も正・逆宙を繰り返してUP/DOWNの感覚を覚える
ウエイト25gではサイサがかなり出て、水平もイマイチ、宙返りはイビツ、逆宙は同じところ飛ばない
とりあえず、操縦ガンバリますが手首がピリピリするだけ、サイサ克服は練習では無理・・・
まずは、Uコン操縦に慣れるのが先決・・・
エンジンはクランク・ケースを選別したので良さげ、但し前半と後半で回転数が変わりやすい
燃料タンクの高さ(5mm下げ)、ダウン・トリム量(クレビス1回転半ダウン)など順次調整
傾きはとりあえずOK
この時点で、電動フェニックスと比べるとキングフィッシャーのほうが良さげ・・・・
なにより感じるのは、700gオーバーにも拘わらず重さを殆ど感じません
重い木村模型は戦闘能力が落ちると思ってましたが、空気に貼りつく感じで沈まない
バランス性を重視したことが良い結果を出しているのか?
シッカリ攻める操縦が可能、前後にウエイト積んでることを忘れさせます
ウイング・オーバーの真っ直ぐ上がる感じはイマイチでしたが、ダウントリムで改善されました


ウエイトを50gに・・・・


完璧ではありませんが、水平の座り、正・逆宙、横8が見違えるほど良くなった・・・・
エンジンはビンビン回って、子供スタントモードですが、目が慣れてきた・・・
ウエイト積んだら外傾してUPが強くなったw
スタント機の調整はオモロイでw






ウエイト 75g


それにしても、Uコンは面白いw、笑いが止まらない・・・
まさか50を過ぎて、キングフィッシャーでマジに遊ぶとは考えもしなかったワナ
その上、新たな発見で夢中になりワクワクできる・・・・
進歩が早い現代社会ですが、Uコンはタイム・マシンかも・・・・


全体重量の10%に及ぶウエイトをスピンナーに付け
その上、前後重心位置を合わせるためにテールにウエイト付ける
トータル110gを越えるウエイト付加、普通に考えれば、あまりにもバカげた行為であり
従来常識では考えられないハズですが・・・


操縦性・飛行性能は劇的向上!


サイサが無くなると・・・


エンジンの回転数が上がり、振動が減り、エンジン音が綺麗になる
小型機で高回転にも拘わらず、水平安定は大型機のようにベッタリ貼りつく
水平安定の暴れは10センチ以内、ナニも考えず安心してハンドルを持ってられる
ウイング・オーバーは真っ直ぐ上がり、正・逆宙は滑らかで操縦カンタン!
横8の切り替えしは機体をジックリ観察できるほど余裕ができます
まるで操縦が上手くなったような錯覚が起きますが



そんなモン、アリエナイ・・・身体能力はまんま



ナンと、機体性能だけが上がった!



にわかに信じ難いですが、本当です



ホントかよ!


大笑いですわw



エンジン回転数を変えることなく(高回転のまま)


アンダー・パワーは、さようなら


各種ウエイト付加で操縦性・飛行性能が劇的改善!




重くして良くなるんが笑えるw





猛練習のつもり・・・・




いよいよ最終段階・・・・


重心を下げることでダウンの効き方がナチュラルになります
スピンナーウエイト増量は上重心になるため、キャンセルするためには足首にウエイト付加
全てが重量増になりますが、飛行性能は一切落ちません
それどころか、益々飛ばしやすくなる・・・・
サイサの問題はほぼ解決しましたが、重心位置が上がってしまい、ダウンが弱い
2種スタントで言えば逆宙関連ですわ、逆宙だけなら目視が働き手首で補正できますが
縦8の逆宙は大きくなりがち、頭上8はもっと顕著に出る!


重心を下げれば無駄な練習は必要なくなる!







怒涛のUコンウィ〜ク


田中さん、優勝オメデトウ!



この笑顔が全てを語っているw


CFCの田中さんが見事優勝されました
日頃の鬼軍曹の毒舌?と地道な練習が結実!
田中さんも表紙トップを飾ることで、華々しくUコン全国区デビュー



そして・・・・



フェニックスに負けたよ・・・・


嗚呼、ダメだった・・・トホホ・・・
数ヶ月に一度のスタント、練習しないで勝とうと策略しましたが、一歩及びませんでしたw
田中さんのLA15は設計当時のエンジン重量に近く、オリジナルの良さが発揮されていました


キングフィッシャーの飛びは何処かで動画紹介されるでしょう(タブン・・・)



2種は小嶋さん(元チャンプ)がまさかの頭上8エンストでコッパ・・・・(残念無念)


悪魔と女神が潜む競技本番は、ナニが起るかわかりませんw






F2Bは宮崎さん大逆転優勝!



コレもある意味凄い!


私は宮崎さん(D級未取得)の飛行を見ていないのでコメントできませんが
予選6位から300点以上加点してブッチギリ!、コレは痛快
今までの常識では考えられない結果と言えます
ジャイアンや菊池さんの飛びはけして悪くなく、その上を行った宮崎さんは凄い!



ジャッジの公平性、そして


5人制ジャッジが有効に機能していると考えられます



ベテランの村田さんは魔が差した?まさかのエンストで大番狂わせw


終止ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ言い訳ツィッターしてマンタw



昼のアトラクション


各地で有名な富嶽を初めて見ました
ロング・ワイヤー、スムーズで雄大な飛びは圧巻、6発とは凄いデンナ
飛ばしている石川氏を見ると、実に気分良さそう・・・・
競技一本じゃないUコン世界は雄大男のロマンがあるw
P・ウォーカー氏が世界選でB17を飛ばしていますが
こんな感じだったのかな・・・・


こちらもグラマスざますネ




5名ジャッジの方々



4月とは思えない冷え込みの中、長時間大変ご苦労さまでした





楽しかった怒涛のUコンウィークが終わったw