隼プロジェクト   次世代F2B電動スタント機の製作



独自スタイルの確立


隼プロジェクト(次世代F2B電動スタント機)の開発を本格始動します。
まず考えたのが、独自スタイルの確立
今まで変なことは色々やってきましたが、ほとんどは興味本位が中心
「コレやったらどうなる?」
「オモロイんじゃない?」
そこに方向性は無いとは言えませんが、曖昧だったしコロコロ変わった・・・・
オーディオイベントですが、自作スピーカーコンテストに参加してわかったことは
上位の人はすべて独自スタイルを確立している
「どうせナニかのアレンジか派生で、堂々巡りが関の山でしょ」
とんでもない、長時間かけて独自の研究を積み重ねた力作ばかり
現状路線の改善・調整というモノもありますが、
現状否定からはじまり、独自の観点から出発しているモノには驚きマンタ!
採点競技であるスピーカーコンテストではどっかで見たことあるモノでは
成熟したオーディオコンテストだとアピールが弱く、刃が立ちません
もちろん、思いつきアイデアだけでは・・・・・

成熟したUコンもしかり、採点競技ではイイ・悪いはともかく


F2B独自スタイルの確立が必要


機体にせよ、飛ばし方にしろ圧倒的個性が必要
たとえば、高速スタントetcの流行を追いかける必要はないかな・・・
現状のF2Bスタント機の延長線上の競争では
オリジナルをどこまで行っても越えられない
アタリマエです、掛けた時間数が違いますから・・・・
疑心暗鬼、どうしても周りに影響されがちですが
ブレない精神力が必要



独自スタイルとは


パワーユニットは電動


いろいろ遊んで、エンジンの優位性がハッキリした?
要は動力であるプロペラをいかに回すか、そして飛行性能の大半がプロペラの回し方に掛かっている
プロペラシャフトの重量・重心位置が飛行性能を支配する
それが分かった?だけでも大収穫
電動にしかできないプロペラの回し方に賭けてみましょう!
エンジンは終わっている理論でしょ
CLに関していえば、エンジンは進歩していない
たぶん、FOX35のスケールアップでFOX90(300g?)が出たら最強!

モーターは機体搭載位置の設計自由度が大きい

重量比率ではリポのほうが重いので機体重心位置にリポを積めば運動性能の大幅向上が見込める
モーターは始動方法の制約がないため搭載位置を機体重心に近づけることでジャイロ効果を抑えやすい

電動は振動が少ない分、プロペラを薄く軽量にできる

軽いプロペラは慣性が低く、回転自立性が弱いので操縦性が向上する
回転自立性と直進性は感覚的に似ているのでいままで検討違いをしていた
回転数が上がるほどプロペラの回転自立性が上がり操縦がし辛くなる
チャリ・バイク・クルマのホイール軽量化と同じ理屈

モーターはトルクが太いためにエンジンより低回転で使用できる

エンジンに勝つためには、モーターの低回転使用でしか道はないデショ
クランクシャフトに比べモーターはインナー/アウターにせよローターは重いワナ
ゆえにジャイロ効果の餌食になる
ギヤダウンによりプロペラシャフトのジャイロとプリセッションを大幅に減らし
インナーローターで使用する
どれだけパワー感を損なわずに、回転数を落とせるかが勝負



機体はX・ジオメトリー構成で製作


理想はテール長とノーズ長を等しくすること
激しい360度姿勢変化による重心位置の前後移動が最小になり
常に安定したターン性能を実現できる
問題は推力点の位置、見かけ上のバランス(エンジン重量)で決まっていたトラクター型スタント機
軽量なエンジンと軽量なクランクシャフトが求められるワケだ
それは絶えずシーソーバランスでしかないので圧倒的高性能が生まれなかった
しかしながら、トラクター型ならではの引きずり効果により生まれる飛行性能は
スタント飛行を美しくみせる要素をもっているのも事実
推力点の位置はジャイロそしてプリセッションにも大いに関わる大問題
まだ構想段階ですが、新しいX・ジオメトリーが誕生する



機体は規定MAXで作る

大きな機体は操縦の粗をはじめ、パターンを見やすくする効果がある
もちろん迫力もある、フィギアスケートでも男子が力強く見えるのと同じ
大きな機体は操縦が楽な反面、風に弱いとか、いったん加速をはじめると・・・・
つう問題がありますが・・・・・



ライン長は21.5mMAX




演技時間は6分50秒台でバッチリ納める

7分間をフルに使い、演技を展開する
ラップが速くなれば、トータルタイムは短縮できるが個性がなくなる
逆の考えでは、高速スタントに徹することも個性と言える
とは言え、図形の正確さを争うのであれば競技時間は目一杯使うのがイイかな



これらを基本として研究開発を行う



超高性能の条件とは


水平安定性

安定性とは何か
それは水平飛行の佇まい、高性能を予感させる水平飛行
水平飛行を見れば全てわかる
ラップタイム?、安定性?、サウンド?、雰囲気?、パイロットのスキル?
パラメーターはハッキリしませんが、見る人を魅了する水平飛行が存在するのは事実
脳裏に焼きつく印象は水平飛行で決まる
それは、離陸から3周で分かる
コレもUコンオカルトの一つかな?
フィギュアスケートで言うつなぎのスベリと同じかな?
F2Bの勝負どころ、角8はターンと水平飛行の合体です。
水平飛行は操縦技術として語られるべきなのかも疑問・・・・・



運動性

運動性を支配しているのは、翼面荷重
重い機体は鈍い、軽い機体は鋭い、これは常識デンナ
重い高性能スタント機は極マレです。
重い高性能はUコン・オカルトの一つ

重心位置と運動性能

重心位置を最適化することによって運動性能を向上させる考え方
安定・不安定の中間に運動性能のベストポイントが存在する
重い機体でも後ろ重心にすることで鈍重さをカバーできる
重心位置を変えることで高性能になるならこれほどイイことはない
機体をギリギリ安定にする


この考えは間違い



テールとノーズが等しい長さなら有り得るかもしれませんが
ノーズが短い現状では姿勢変化で重心位置は後方へ移動する
よって後ろ重心にすると失速し易くなる
失速とは揚力を失うことですから、高性能にはならないワナ
パワーコントロールが難しいUコンでは失速に見合うスロットルコントロールはできない
ですから、RCのような芸当は無理
失速を有効に使うことで加速を防げるかもしれませんが・・・
現状のスタント機ではムズイかな
ポイントは最も揚力が必要な時に最適重心位置になること


ノーズを短くすると地獄に堕ちる


テールを軽くすることでノーズを短くできる
それは高性能化の絶対条件だと信じていましたが
大間違いでした



なぜノーズが短いとイイと考えた?



ノーズが長いとジャイロの餌食になる


ココにトラクタースタント機のシーソーバランスがあるのよ
エンジンが噴くとジャイロ爆発!そんで操縦性が最悪になる
だからピーキーじゃないクロス掃気が主流になるのよ
永遠のテーマなわけ
だからムズイのよ


テールを軽くしてノーズを短くしたら、重心位置は前にしないとダメ!


コレが分かるのに4年も掛かった




操縦性


操縦性とはナニか?
それは安定性でも運動性でもない
意のままにコントロールできるかどうか?
機体設計で最も重要視される項目、
そして最大のUコンオカルト


最初に考えたのが、ワイヤーテンション
Uコンはワイヤーが弛むとノーコンになる
ベルクランクを動かすことが操縦であるなら
いかなる姿勢でもワイヤーテンションが最適になる機体が操縦性がイイ
つうことになる
弛む反対が引張り過ぎ、コレも厄介
普通の人なら、ワイヤーテンションが5kgを越えると恐怖を感じる
10kgなんて言ったら、生命の危険を感じるワケ
たかが5kgと言え、6分間耐えなければならないことを考えれば分かりやすい
なぜ超大型機に拘ったのか、Xジオメトリーなんて始めた理由は
ワイヤーテンションが操縦性に大きく関わっていると考えたから


ワイヤーテンションが最適であれば操縦性がイイ?

苦労した甲斐があり?
色々ワガッタ!、胴体形状や翼端ウエイト、垂直尾翼、プロペラ後流などなど
ワイヤーテンションに関わる要素を理解できたツモリですが


ワイヤーテンションは操縦性の絶対必要条件の一つであることは事実ですが


どうも操縦性の本質とは違うように感じる


操縦性の本質はナニ?


良く飛ぶ?飛ばない?


操縦性を最も端的に表した動詞・形容詞
同一設計の機体でも違いがあることを考えると、設計パラメーターとは違う要素がある
機体の製作精度や重量で生じるのかと思いきや
コンポジットでも同様のことが起るみたい・・・・


練習の先に立ちはだかる最大の壁


だから練習する
意のままにコントロールできるまで
いつか、完全制覇できると信じて・・・・
Uコンスタントは人を虜にする魔力がある

ここにUコンドツボが待っている
絶対に不可能な飛行の完全制覇を目指して不可能な機体で無限に練習する
いい例が、1万回練習しても45度宙返りに10点満点が出ないでしょ
自然相手の競技ですから、風などの天候状態で大いに左右される
パターンが進化しないのは、再現不可能だから
風上でF2Bはできない、意のままにコントロールするなんて不可能
それぐらい機体性能が低いワケです。
だから、オモロイ


出来ないことへの挑戦ではなく、ヒョットしたら出来るかもしれない希望を抱き練習する



最後に残るのは


身体能力差とメンタル能力そして練習量で勝負が決まる!



機体性能の低さを身体能力でカバーしているだけ



スタント競技は地道な努力なしに大成はしない
スタント競技に王道なし
それは、人生哲学にも通じるワケです。



それをブチ壊すのが目的!



冗談はさておき


操縦性を左右するのは


プロペラの回し方に掛かっているのでは?


スタント機の調整ではプロペラ選択により操縦性が大きく変わる
プロペラの良し悪しがあるにせよ、その回し方により操縦性が変わるのではないか?
パワーユニットがエンジンとモーターが選べるようになりましたが
同じ機体でもエンジンとモーターでは操縦性がちがう。
パワーコントロールが容易なモーターにアドバンテージがあるように見えても
そうとは言い切れない現実がある。



隼2009Xジオメトリー



インラインで上半角0?

今更ですが・・・
このカタチがCLスタント機の理想かもしれないなんて考えています。
双発はともかく、このスタイルのCLスタント機は過去にあったのかな?
電動双発は始動・調整の問題をクリアしてくれるので、まさにイイ所取りになる



ジャイロを完全にキャンセルさせるには


ブラシレスモーターによる左右逆転双発


デジタル制御が可能なブラシレスモーターを左右逆転で使うとジャイロの完全キャンセルが可能
プロペラも正逆同形状のAPCを使用できる
左右の出力調整も完全に把握できる電動システム
双発で強力なガバナーが掛かる
小型モーターと小径ペラの組合わせは旋回性能の向上も実現



双胴体が重要ポイント


双発で重要なのが、双胴体
プロペラ後流を胴体に這わせ、安定した直進性と姿勢維持力を出す
プロペラ直後のジャイロスタビライザーが無風時のグラグラを解消?
垂直尾翼もポイント



プロペラ後流をフラップ・エレベーターに当てる

機体の旋回性能は、動翼にプロペラ後流をどう当てるかによる
単発に比べ2倍のプロペラ後流を有効に使うためにも
双胴体と連結水平尾翼が必要
10インチペラを2枚使うと、20インチペラと同じ幅のプロペラ後流が使える
アスペクト水平尾翼が外乱に影響されずに使える



重心位置と推力点を近づける

ジャイロをキャンセルした上、重心位置と推力点を近づけられれば
バツグンの操縦性が得られるかもしれない
パワーを存分に使ったハイパーフライトでも意のままに操れる操縦性



テール・ノーズを1:1に近づける


リポ・モーターを重心位置に近く配置できれば
ノーズを伸ばせて、胴体前後の重量分布を等しくすることが可能
姿勢変化による重心位置が後方に移動し難くなり
安定した旋回性能が得られる
本当の重心位置調整が可能になる



この図面を元に試作するつもりでしたが
プロペラ位置を優先するあまり、設計に構造上の無理がある
テール・ノーズの関係が分かって来たことと、単方向回転のペラではジャイロが残る
そして2枚ペラの逆転ペアがジャイロを見事にキャンセルしてくれることが分かった
それなら空転より、パワードライブさせたほうがムダが無いワナ