プロペラ・エレクト!


プロペラUP癖の謎



プロローグ:今までのおさらい編



なぜUPが強く出るのか?



奇形が正常で進化したスタント機



正逆で同じ飛行性能を実現するためには、機体ジオメトリーは上下対称になるのでは?
重力に対して正逆対称なら同じ飛行性能になる、裏も表も同じがエエんとちゃうか
上下非対称だと正逆で飛行性能に差が出る(ホントかどうかは?)・・・・
その典型例が翼型、Uコン・スタント機は上下対称翼型が使われます
理由は正逆とも同じ揚力を発生させるため、対称翼型になったと思います
正逆で飛行方向は違いますが、重力に対しては同じはず・・・・
だから



上下対称が基本!    だと思ってマンタ



オール・アメリカンは、インライン、エンジン正立、脚(ウエイトとして)でバランスさせています
このカタチが本来あるべき姿だと思っていました



これなら単純明快!


正逆で同じ飛行性能が実現するワナ



ガルーダのスタートはこの考え方でした
重心位置を上げるために翼端ウエイトを高く上げたり
脚やマフラーをどうしたら軽量化できるかムダな努力に明け暮れマンタ・・・
機体がデカイことが幸い?して変化の具合がよくワガッタ
当時はダウントリムをガンガン入れたものです





Uコン復活して6年位遊んでいますが、
復活当初は、インラインが理想だと確信していました
諸々の理由で現在のカタチが形成されたとして、究極の理想はインラインになる
諸々の理由とは
インラインにすると、脚が長くなり結果的に上下重心位置が下がってしまう
エンジンサイドマウントはカッコ悪い・・・そんでサイド排気だとマフラーが重くて重心が下がる
だったらエンジン正立にすれば脚重量がキャンセルできるとも考えましたが
エンジン正立はカッコ悪いからボツ!
理想のインラインが実現できればOKであり
カッコはともかく、エラーを克服して究極のスタント機を作りたいと真剣に考えていました



重力に対して、正逆ともに同一条件にすることが高性能の第一歩である
先達が諸々の条件から実現できなかった理想形を実現したい
そんな思いが強くありました


インラインはグライダーで考えると分かり易い
正逆どちらでも同じように飛ぶ機体を設計して、プロペラを付ければOK


ところが!


そうはなりません


上図のような構成に近づければ近づけるほど機体が上方へ浮きたがる
最初はプロペラ後流が水平尾翼を上から叩くのが原因だと考え、
エレベーターにダウン・トリムを付けて対応しましたが
機体姿勢を観察すると、テールが下に押されてノーズが上を向くのではなく
機体がフォークリフトで持上げられるような感じ・・・・
主翼の揚力とは関係なく水平のまま、上方へシフトしていくような感覚です
テールが下に押されれば、大きな宙返りになるでしょ
そうじゃなくて、水平に持ち上げられるような・・・
最初は分からなくて・・・ダウン・トリムで逃げようと考えました


皆さんも経験あると思いますが
ハンドルを動かさないのに水平安定が悪くなること
ベルクランクが動かないのに、機体が浮き上ったり沈んだり・・・・フラ〜〜フラ〜〜する
教科書には、向かい風・追風で起ると書いてありますがw
それのもっと酷いカタチでフワフワ浮き上がる



コレには悩まされたw



原因は、前後重心位置が最適でないから?・・・・
思考回路をソコしかなかったし、ハンドルの持ち方が悪いのかと悩みましたw
反トルクとか言うことで、サイド・スラストを付けたりしますが
実感できるほど効果がないことが多く、サイド・スラストは不要では
本来必要なのはダウン・スラストではないか?
仕方ないので、ダウン・トリムをドンドン増やして対応しました
感じたことは、リンケージの測定ニュートラルはアテにならない
飛ばして積極的にアジャストしてこそ意味がある・・・


もしや、インラインは理想ではない?



理想を求めてインライン化を狙ったつもりが、ワガッたのはダウントリムで逃げること



この時点でノーブラーの図面見て、驚いた!



エンジン倒立を含め


全ての重量物がプロペラ軸下側にある



そして、ワザと大きなタイヤを付けて重心位置を下げている


プロペラ推力が水平直線上に進めば、下側に力が働きます
重心位置の関係から仰角が無いと水平飛行しません
エレベーターはダウンどころか、アップ・トリムが必要になり、背面飛行が・・・・


ところが、コレで正解なんよ



プロペラ回転で上向きの力が発生する




プロペラ・エレクト!



理由は分かりません、だから説明できませんw
文献も無いと思います
逆転でも力の大きさは違えど(まだ検証できてません)同じです
摩訶不思議・・・・高速で自転(地球)している地上でUコンすると起きる?



プロペラ・エレクトの力が無ければ
水平で考えるとアップが鈍くなり、ダウンが鋭くなる
垂直上昇で考えると、もしプロペラが真っ直ぐ進むなら、
ウイングオーバーがダウン側に倒れ易くなりムズイ・・・ワナ


エレクトをキャンセルさせるために重心位置を下げる



ノーブラーはこの事に注目して設計されている



背面では・・・・



正では低翼 / 逆では高翼


胴体設計をするにあたり、永い間整理ができず悩んでいました
当初はスラスト・ズレの意味が理解できませんでしたが
プロペラ・エレクトが存在するならば、バランスするポイントがあり
重力に対して、プロペラ・エラーを逆手に利用してバランスしている
もっと凄いんが、主翼スラスト・ライン上に重心位置があるのではなく
ワザと下側にズラしてあることで背面時の支点と重心位置を合わせて
上昇力を稼いでいることw
リードアウト・ガイドを下側にズラせば、左右の傾きをキャンセルできます




お見事!絶妙なバランスで重力に対抗している


ノーブラーは神の領域にある
コレを発見した時は、我ながらビックリしたデェ〜〜
と同時に、アップ・ダウンの効き方に対するアルドリッチ氏の考察にリスペクト!

この理屈で考えれば、指定重量説もバッチリ納得できマンヨ
翼面荷重が変わるとバランスが崩れる、軽くても・重くてもダメなんよ






主翼スラスト位置


上下重心位置の決定はもの凄く重要なんよ


ノーブラーを高性能化するためにプロペラと主翼のスラストラインを近づけて
胴体をスマートにしたり脚を軽くすると飛ばし難くなる
軽量化による高性能を狙うなら、スラストラインは大きくズラすほうがエエ

つまり、従来の手法は検討違いの可能性がある


インラインに近づけると、ダウントリムやダウンスラストが必要になる
プロペラ・エレクトをキャンセルするには、ダウンスラストが最も効果的と言えます



そして、プロペラ・エレクトは前後重心位置にも大きく関わっているんよ
例えば、前重心でも普通に飛ぶのはプロペラ・エレクトが原因




エレベーター・オンリーのUコン機設計ですが、大変奥深く面白い



ココまでが  おさらい





サァ〜問題はココから



エンジン(逆転モーターは別?でもない)でUコン・スタント機を作ると、
スラスト0、リンケージ差動無し(ニュートラル)でも
人によって感じ方は様々ですがUPの方が強めに効きます
正宙より逆宙のほうが大きくなりがち、ダウンを強めに操縦する練習が必要です
リバースウイングオーバーの引起しが分かり易い・・・
ダウンの引起しはダレ易いですが、アップ引起しは角が出し易いとか
正逆宙は練習で揃えられても、機体が立つウイングオーバーを真っ直ぐ上げるのはムズイとか
大抵の場合、UP側にズレて行く・・・・三角、アワーグラスでも同じことが・・・
話題?のダウン・トリム調整は、ウイングオーバーで行うと分かり易い
また、機体によっても効き方に違いがあるため、上手な人でも機体を変えると慣熟練習が必要
操縦が上手い人には関係ない話ですが、アップ・ダウンを同じに揃えることは大変なのです
要は凡人が普通に真っ直ぐ飛ばすのはムズイわけ
この話しは、過去のUコン技術誌やUコン技術マニュアルには無く(タブン?)
輸入された技術で秘密要素が強く一般に公開されたり、技術解説されることは殆どありません
なんですが、ダウン・トリム量を図面で指定した機体がありますw
一般論では、スラスト0でフラップ・エレベーターの上下差動が無ければ
アップ・ダウンで効き具合が違うことは理論上無いのが常識とされています
仮に違った場合、機体不良で捨てられる・・・・
だから、意図的にダウントリムを入れることは、機体製作が正確でなく歪み補正のようにも見える
まさにミステリー、ココがUコン技術の深遠でオモロイところデンナ!


逆転モーターのケースがあるので
全て解決したわけではありませんが、私も永らく分かりませんでした
解明されていないプロペラ固有のクセではないか?
プロペラ後流が原因?
なぜUコンだけに表れてRCでは目立たないのか?
機速が上がると強く出るのはなぜ?
対策としては、重心を下げることで対応できます
脚やタイヤを重くすると水平飛行の据わりが良くなります
このクセは操縦性にも大きく関わっていて、練習量が増える原因に・・・
サイサと絡めると焦点がボケるので、サイサは横に置いて・・・
この問題が機体設計に大きく関わっているため、上手く整理が出来ず
完璧な設計ができないワナ
重力と逆方向に出るならナニかに使えないか?
などと暇に任せて考えていました・・・




ジャイロ効果でUP癖は起きる?


正宙が小さくなり、逆宙が大きくなるなら
プロペラ回転方向に関係しているのでは?
でも逆転モーターの場合、理屈が逆転することは無く弱くなるだけ・・・・
機速が上がると顕著になるなら、回転数が関係しているのでは?


ココで考えたことは



左右どちらの回転でもUP癖は出るが、逆転にすると作用が弱まること
根本原因は解明できなくても、正転エンジンによるプラスα要素が添加されているのでは?
つまり、不確定要素として正転による偶然性の増加は在り得るのか?
必然性がある原因なら設計で逃げられますが、偶然性は逃げられない
回転数が上昇するとUP癖が強くなるのことに注目しました



ジャイロ効果とUP癖に関係はあるのか?



この関係性は従来の理論では説明できません


ところが・・・・



遠心力がプロペラに加わると・・・