電動オジサンは見た、戦慄の過放電  ノンフィクション




青い中華マンジュウの恐怖


注* 自分のことじゃありませんよ


まえがき

ある日の午後、オジサンから電話ありまして・・・

オジサン:「電動ストレガいつできんのよ?」

オレ:  「トラクター型ノーマル作るのなんだかイヤになっちゃったヨ」

などと雑談してまして・・・

オジサン:「FMAタイマーをブログで見たけど、どう?」

オレ:  「あれスンゴクよくできてるよ〜〜〜」


オレ:  「ところで、前に作った60クラス電動スタント機その後ドォ〜〜ヨ?」


オジサン: 「お願いだから、誰にも言わないでネ」

オレ:    「OK・OK♪〜〜、オレの口は貝だから大丈夫!、それで・それで・・・」



オジサン: 「じ・じ・じつはさぁ〜・・」



煙のごとく、消えて無くなる福沢諭吉

それは1年以上前、オジサンは真剣でした。
次世代はF2B競技は必ず電動化が勝負を決する。
どうせやるなら60フルサイズスタント機で行こう!、小ちゃいのやるのはメンドウだ!
そう言えば、那須高原がCLタイマーを持ってるなぁ〜〜、一個分けてもらって真剣勝負だ!

オジサンは根性ありすぎ、いきなりウインドシェア60を電動化してトライするのでした。
タイマーはJMPのV2、出力2段階のヤツでポチポチ押してプログラム・・・・、
当時はサーボメーターなんて考えも付かず、ひたすらポチポチ・・・・
やれば分りますが、気が狂いそうになりますヨ。
そのうち何やってんだかワケわかんなくなる・・・・

おまけに当時はイイリポがありませんでした。
5セルなんて3万円以上、しかたなく4セルでのトライ・・・・
でもダメなんですよ、4セルじゃ・・・・
電流いっぱい流れて、飛ばすとモーターがチンチンに熱くなって・・・・
BECが4セルで使えることなんか考えもしませんから、マメ電池を積んでタイマーに給電して・・・
それでも電動はよく飛びました。

オジサンは、やっと冷静になれたのか?

しばらく電動はお休みすることにしました。

その後、関西中心に大型スタント機がバンバン飛んでる話が伝わってきました。
そのころ那須高原は何を思ったか?ガソリンに目覚め電動はお休み・・・・
しかしオジサンの心中は尋常ではありません、
「クソ〜〜、先を越された〜〜〜」
周りには電動フレンドは一人もいません、孤独な戦いは続きます。
オジサンはさびしくなんかありません。
誰もやってない60電動を一人密かにニヤニヤしながら・・・・

でも最大の問題はタイマーセットでした

ポチポチポチポチ・・・・、あれ?あれ?あれ〜〜〜?

そんなある日、新品の数万円する青いリポとカーボン3枚ペラ(低ピッチ?)で武装した機体のテスト

いい加減ポチポチに飽きたオジサンは
「ナントかナンベ〜〜〜」
いきなり飛行を開始しましたとさ・・・・

それは凄いパワ〜〜、超高回転!とウナリ音・・・・(ふつうはココで気づくわな)

「オォ〜〜、まるでパイプ仕様のようだ!」

かつてない飛びに感激?



「ヤッパ電動はスゲェ〜〜〜」    そんなこと言ってる場合かよ



しかし途中から、どうも音が変?、やな予感????

カラダに虫唾が走り、イヤな汗が・・・

ドキドキ?心拍数と血圧が上昇するのがわかったとか・・・

着陸した機体に、猛ダッシュで跳んでいくと・・・・


機首から立ちのぼる線香のケムリ〜〜〜  チ〜〜〜ン♪


「やっべ〜〜〜、燃えだすゾォ〜〜!」


オジサンは顔面蒼白、なりふりかまわず機体をひっくり返し、リポを機体から外そうと・・・・



「アッチ・アッチ〜〜〜」



煙はアンプから出ていました、シュリンクチューブは溶けて内部から立ちのぼる煙〜〜〜〜


熱くて手では触れません、工具箱ひっくり返して皮手袋を取り出しリポを機体からむしり取りました。


リポはミルミルうちにパンパンに膨れ上がっています。



「タタ大変だ〜〜〜、燃えちゃう・燃えちゃう」



オジサンはリポ保管移動用の圧力鍋を開けて中にほうりこみ、堅くフタをしたのでした。


ヤレヤレ、しかしこれで事は済みません、圧力鍋の中から”不気味な叫び”が聞こえてくるではありませんか


最新のリポは放電能力大、内部抵抗が低いので、エネルギーが桁ちがい!


ナント!、圧力鍋の減圧バルブからシュ〜シュ〜煙が噴出しています。


オジサンは恐怖のあまり気が動転、「も〜〜イヤダァ!〜〜〜〜」


一刻もはやくこのリポを自分の前から消し去りたい衝動に・・・・


ダッシュで自宅にもどり・・・

消化器とスコップを持って川原にやってきましたとさ

オジサンはひたすら人のいない場所を探し走りました

煙は出なくなりましたが、怖くて圧力鍋を開けることができません



もうできたかな?  そんな余裕は微塵もあるわけネェ〜〜チャン



 恐る・恐る鍋を開けてみると・・・・・



そこには



美味しそうな、青くて大きく膨らんだ



ハイペリオン 中華マンジュウ 超高価・セレブ御用達?




が入っていましたとさ・・・


オジサンはそれを見るないなや、スコップで掘った穴に投げ入れ、


消化器をバンバンかけて、大急ぎでスコップで土をかけて埋めてしまいました。


ヤレヤレ、一息ついて、オジサンは・・・・



オ〜〜コワ、




    もう電動ヤァ〜〜メタ!




このたびは、本当にご愁傷さまでした。



それから月日が経ちました・・・・・



オジサンは、懲りずにFMAタイマーを予約しましたとさ・・・・



つうことで、笑い話はここまで、



なぜオジサンは不幸な目に遭ったのか?


FMAタイマーがあれば防げたでしょうか?

たしかに確立はかなり下がるかもしれませが、ゼロにはなりません


電流計を用意していなかったから・・・・




電動機で遊ぶときは必ず電流計で電流量を計り、
適正範囲内であることを必ず確認しなくてはいけません。

ペラや回転数はその次の問題です。

電動は机上である程度の条件設定ができるのが特徴

大事なことは仕事量(ワット)がモーター・リポに対して適正範囲であるか?


仕事量(W) =  電圧(V) * 電流(A)


仕事量(W)がモーターの適正範囲かどうか?


電流(A)はリポに対して 何C 放電しているか?



これが感覚的に整理できないと、大変危険です。



電動は従順・正直ゆえ、与えられた条件に対して、死ぬまで動いてしまいます。


エンジンなら09に11*6のペラ付けてもダメなことはすぐ分かりますが、電動は全力投球で仕事しようと・・・・

それゆえ、人間は絶えず観察・測定をして、適正範囲であるようにしなくてはいけません。


たとえば、リポを新型や容量増に変えたなんてときは特に重要
進化の過程にあるリポはドンドン放電能力が上がる・・・
これは内部抵抗が下がることを意味しています。
よって従来のパワー設定のままだと電流が流れすぎる、
今回のケースはまさにコレ、
オジサンは電流計らなかったことをたいそう悔いていました。

回転増と電流増は体感的に比例してません

オジサンはタコメーターで回転数は確認したそうです。

ベテランの機材・設定データは大変参考にはなりますが、日進月歩の電動では半年前のデータは???



電流測定は絶対必要です。



難しくありません、クランプにくぐらせるだけです。




それじゃ〜〜、適正範囲ってナニ? は次回のココロだぁ〜〜



オジサン、コメント待ってますよん