スタント用ラインを極める



ライン径・撚り方について考える・・・・


このテーマは、日本のトップフライヤーの間では過去に実験され結論が出ている
それらが前提で今日があるわけで、今更云々することに意味があるかどうか?・・・・
しかしながら詳しいデータは残ってはいません
基本に立ち返り、データを取り比較検討していこうと・・・・・


これ以上の必要悪はない

Uコンの宿命、逃れられない呪縛・・・・
機体は絶えずワイヤーを運びながら飛ばなくてはならない
ワイヤーを運ぶ能力が機体に求められる

能力は機体の大きさで左右される

スタント競技では、操縦のリニアリティ〜、
つまりワイヤーの伸びを抑える方向で考える(太さ優先)のが
正解だと思ってました・・・・・
ワイヤー重量は翼端ウエイト(必要悪)でバランスさせればOK
この考え方だと、ライン径は太いほどイイ・・・・
最近は太く短く、ダイレクトな操縦感覚を重視つう路線をツッ走る・・・


ラインの理想は


限りなく軽量で細く、絶対に伸びないこと

そんなもん、あるわけないベナ・・・

パークフライヤーを電動Uコンに改造したとき、
どうせならラインも新素材で行こう、つうことで
釣具の専門店で使えそうなモノを探したことがありまして・・・
新素材はエラク軽量、「これならウエイト不要かも」
歌い文句は「伸びないダイレクトな感覚」
これは使えそうダベ・・・色々購入したんですが
使ってみると「これゴムじゃないの?」
たった7Mのラインにもかかわらず、「ビヨォ〜〜ン・・・」

この経験からラインの伸びに対する嫌悪感が・・・・
以後伸びないラインを優先で考えるように
実験すると分るんですが、ワイヤーはよく伸びるし簡単に切れる
ガルーダを作ったとき、リードアウトワイヤーの強度試験をしまして
いとも簡単に切れるワイヤーにビックリ
と同時にワイヤーの伸びはベルクランクの動きに直結するので、
意図した操縦がムズイつうことに気づいた


ガルーダ        0.6mm7本撚り
電動YAK54     0.45mm7本撚り
その他         0.36mm7本撚り
パークフライヤー    0.3mm7本撚り


電動フェニックスは0.36mm 14M
ちょっと太いかなと思いましたが、ラインの伸びが無い分操縦性は向上するはずと思ってマンタ!


ところが

試しに0.3mm 16Mに変えたら



劇的に飛ばし易くなった!


これ結構ショックでした
考えてみれば、電動フェニックスはパークフライヤーより小さい
アタリマエといえばそれまでですが、Uコンの難しさを象徴している・・・・


単線ワイヤーはどうよ


Uコンのようにワイヤーを直線で使用するなら
強度と空気抵抗を考えると、単線に行き着く
0.3の撚り線は小型機にしか使えませんが、単線なら45(60)スタントでもOK
伸びもピアノ線ならステンレス撚り線の比ではありません

でも湿度に弱い、お互い引っ付いてしまいレースならともかく、スタント操縦できない
特に競技会では天候によりバクチになる
つうか日本は四季と多雨により競技会が晴天とは限らない
リスクが大きくて競技参加はムリ



単線はインドアで真価発揮


将来発展が予想されるインドアUコンでは、極細単線が主流となる
雨は無いし、機体は軽いし、テンション少ないし



撚り方による性能差はあるのか?




現在の主流は7本撚り

Uコン用?ワイヤーは日本ではブローダック、ウクライナ、木村模型、クラフトラインが主流
殆どがMNTインターナショナル扱いのブローダックワイヤーだと思います。

大昔は、パイロンブランド買えずに、ツバサのBC級7本撚りを使いましたが・・・・


当研究所では東洋ミニロープ工業の7本撚りを使用しています。


東洋ミニロープ工業  http://www.toyoflex.com/


当初はUコンは7本撚りでしょ、つうことで
1*7 0.36をメインで使用
固定概念が人間の行動を大きく左右するためか
他のワイヤーには興味がありませんでした


ところが、同社のワイヤーカタログをみると多種多様なワイヤーがたくさんある


そこで注目したのが1*19の19本撚りワイヤー


ポイントは真円度、重量、強度


7本撚りにくらべ、しなやか、真円、少し軽い、強度もソコソコ


価格はというと


0.25mm(7kg)   1M    44円

0.35mm(14kg)  1M    38円

0.5mm(14kg)   1M    35円



早速購入してテスト、比較対象として、


3本撚り 0.24 0.45も購入してスタント用ワイヤーのベストを探ります。



3/7/19勝利の方程式は?


0.25/19本撚り、サンプルワイヤー50Mが届きマンタ!
Oh〜細い!まるで髪の毛よう、表面はキューティクル?でキラキラ
手触りも従来の7本撚りと違い、ツルツル
ワイヤー自体にはほとんど腰がなく、しなやか?、グニャグニャ?、ヒモみたい・・・
30cmほどに切って、両手で引っ張り強度テスト
簡単には切れません、ワイヤーが手に食込み痛い・・・・
伸びるカンジがあるかと思いきや、それほどでもない・・・
弛ませておいて、ポンっと引っ張ると呆気なくプチッ

ワイヤーは徐々に引っぱる場合と、弛ませておいていポンと引っぱるのでは
切断荷重が違うような気がする・・・・
引っぱりテストは徐々に荷重が掛かるので大抵はOK
問題なのは、テンション抜けた次の瞬間にガツンと引っぱる時かな・・・・
ワイヤー切断試験はガルーダ作ったときに散々やりマンタ!


カタログデータでは切断荷重は7kg
添付されてきた出荷検査表では9kg(88.2N)だって・・・・
本当かなぁ〜

体感試験では実用可能と判断


EPフェニックスでどうなるか?


同様に、0.35/19と0.5/19も入手できマンタ!
比較対象の3本撚りはこれらの太さは在庫なしでボツ
7本撚り VS 19本撚りの対決となります。



長万部爺さまより、遠まわしお怒りメェ〜ル?が来マンタ!


私の経験上、より線は出来るだけよりが少ないほうが良いと思います。
よりが増えるほどに強度は落ちて伸びも大きくなるからです。
同じ断面積を確保するにはかなりの太さが必要になります。
又空気抵抗は非常に大きくなるのです。
速度機の全抵抗の60〜70%はワイヤーといわれています。
実際ライングルーパーで2本を揃えるだけで別世界に・・?(私の実験では+15Km/hは可能でした)
ウィップスタンターでの実験ではより線の空気抵抗は顕著です
0.35Φ単線ではそこそこ出来るスタントが、0.3Φより線ではよたよた横八が限度です。
ライン重量は単線のほうが重いのですが、・・。
元祖ウィッパーの根本氏は0.2Φ単線を使っていましたが、扱いがシビアすぎてどうにも・・・。
0.2って大げさかもしれませんが毛みたいなんです。
強風時ではより線は延びてしまい加速する機体を制御できません。
高々500g程度、ラインも10m前後でその差は歴然!
単線と同じ断面積で比較してみると、やはりより線は延びます。
当然ですがよった分がしまるからです。
メーカーに聞くとそんな事はない!人の力で引いた位では差がない!等といいます(笑い)。
釣具屋がPEラインは伸びないというのと同じ!論より証拠実験すると、20mで1cm位の差が出ます!
F2Aのワイヤー(0.4Φスチール)で、どのくらい伸びると思います?
旧規定15.92mで、6mmは可能です。ステンレスだと7〜8mm?
だから少し短く作って計る時には思いっきり引っ張るんですよ!
単線を扱いに慣れれば決して難しいものではないのですが・・。
現在ワイヤーはほぼ100%ステンレスになっています。
伸びない理想のワイヤー生産には地球規模の発注は不可欠・・?(残念資金がありません)


事前にお知らせしますが、0.25Φ等のワイヤーでの競技参加は出来ませんので悪しからず。
KMC大会は、あくまで業者からユーザーの皆さんへの感謝還元の意図を持って運営されています。
安全性のことはさておき、



一般の方が入手できるような物をお使いくださいね。




ハァ〜〜イ!




実験結果を暗示するようなメールでんな
ますます楽しみになって来マンタ!
たぶん長万部爺さまの言うことは事実でしょう。
なにしろ4000年の経験ですから、太刀打ち不可能デンナ!
ではなぜ実験が楽しみかといいますと・・・
人間はコレはイケルと思って使う場合と
コレはダメでしょ、と思って使う場合では感じ方が違ってくる
数値で表せれば一目瞭然ですが、インプレとなると話しは別
特にその業界で著名な方が一言いうと、バイアスが掛かる



ナニに注目しているか?


それは空気抵抗
切断強度はエンジンのように10,000rpmも回さないし
加速はガバナー効いてるからOKデショ
ワイヤー真円度は19本撚りが上、湿度の問題から見ても撚り線が有利
テンションない小型電動では19本撚り線にアドバンテージがあるかもしれない・・・

飛ばせば1分で分る


なぜなら、ワイヤーの湾曲度で一目瞭然デンナ!



オチを付けるとすれば、失敗した時の出費を最小に抑えるために
サンプル購入にしたことかな・・・・




Uコンはオモロイ・・・・